† 迷っているのは俺の心 †










『加地くんなんて嫌い、大っ嫌い!』




って加地くんに言ったのが昨日。

で、今日は加地くんに逢わないように音楽科の校舎でサボること決定。

気まずいし。




、顔不細工になってるよ?」


「・・・元からだもん」


「はぁ・・・」




サボりに付き合ってくれるのは柚木サン。

朝捕まったから捕まえ返してみた。

柚木サン優等生のはずなのにねー。




「柚木サン授業いいのー?」


「俺を誰だと思ってるの?」


「柚木サン」


「・・・・・・はぁ」


「・・・・・・」


「ほら、俺の見てる傍からやらない」




柚木サンに手を掴まれる。

無意識にまた、指いじっちゃってたんだー。




「・・・じゃーあっち、行く」


「はぁ・・・どうした?何かあったか?」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「喧嘩、した」


「喧嘩?」


「ん」


「・・・ちなみに、誰と?」


「加地くん」


「へぇ・・・あの加地と喧嘩ねぇ・・・」




基本的に私が一方的にですー。

多分、柚木サンもわかってると想いますー。




「原因は?」


「これ」




自分の親指を指差してみる。

ばんそーこの巻かれた親指。

私が、昨日久しぶりに傷つけた指。




「・・・・・・」


「でも、眠いのマシになったんだよ」


「・・・・・・」


「だからねーもう授業中寝なくてすむ」




これで紘センセに怒られることもない!

他のセンセにも怒られないですむだろうし!




「ねぇ、


「んー?」


「・・・お前はそれでいいの?」


「え?」


「眠いのマシになって満足?」


「柚木サン、言ってることわかんない」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・ほら、指貸せ」


「え?」


「絆創膏、変えてやるから」


「ん」




柚木サンはいつも通り器用にばんそーこを撒いてくれる。

もちろん、消毒もしてくれて。




「ありがと、柚木サン」


「・・・どういたしまして」


「・・・柚木サン、なんか変ー」


「お前に言われたくないよ」


「むぅー」


「・・・俺はどちらを望んでいるんだろうな」


「え?」


「・・・なんでもないよ」


「柚木サン、よくわかんないー」


「わからなくていいよ、お前はね」


「んー・・・」


「お前、今日一つも授業受けない気?」


「うん、受けないー」


「はぁ・・・ほら、行くぞ」


「んー?」


「家まで送ってやる」


「え、いいですよー柚木サン授業受けるでしょー?」


「別に一日くらい構わないさ」


「駄目。構う・・・それに、アンサンブルの練習・・・」


「日野のアンサンブルは順調だから大丈夫だよ」


「・・・うん、知ってる」


「だったらお前はおとなしく送られろ。・・・お前を送ってから俺はここに戻って来ればいいだけの話だからな」


「あ、そっか。じゃー・・・お願いします」










† 迷っているのは俺の心 †

(弱いままのお前でいて欲しいのか、そうではないの・・・か。)



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送