†　体の傷は治っても、心の傷は治ってないんだろうな　†










｢・・・、！｣


｢ん・・・｣


｢ったく、本気で寝るなよなー｣


｢ん・・・紘センセ？ここ、どこ？｣




しかも寝惚けてやがる。




｢学校、音楽室、ちなみに授業中｣


｢あー・・・｣


｢・・・もう時間だな。今日の授業はここまで｣


｢わぁーい、終わったー｣


｢｣


｢んー？｣


｢お前さんは罰として放課後俺の手伝いをすること｣


｢えー｣


｢一時間寝てた罰だ｣


｢・・・そんなに寝てた？｣


｢寝てたぞー授業始まる前から。なぁ？日野｣


｢あ、はい・・・｣


｢うぅーおかしいなぁー｣


｢夜更かしするなよー｣


｢してないですよー｣




の指は最近は傷ついていない。

まぁ最近って言っても一週間程度だが・・・

その代わりに授業中に寝ることが増えている。

ストレスに対する過眠・・・・・・まさか、な。




｢ほら、教室戻れ。次の授業始まるぞー｣


｢あーホントだー｣


｢放課後、音楽準備室に来るの忘れるなよー｣


｢はーい・・・多分｣





















◇◇◇






















｢センセー来たー｣


｢お、ちゃんと来たなー｣


｢で、何をするんですかー？｣


｢そうだなーとりあえず、茶でも飲むか？｣


｢飲むー｣




紘センセは私に甘い。

お茶入れてくれるし。

お茶請けとかも用意してくれるし。




｢紅茶、コーヒー、緑茶・・・好きなの選べー｣


｢緑茶ー｣




だって、今日のお茶請けはチョコレート。

甘いものには甘くないもの。

洋菓子には緑茶が合うんです。




｢ほら｣


｢ありがと｣


｢お前さん、他の授業はどうしてるんだ？｣


｢他の授業ー？うつらうつらしてる｣




最近、眠くて、眠くて、眠くて・・・

つい、授業中にうつらうつらしちゃう。

その度にセンセたちには怒られるし。

・・・香穂ちゃんには心配かけちゃうし。




｢昨日何時に寝た？｣


｢えっと・・・12時くらい？｣


｢今日起きたのは？｣


｢7時ー｣


｢まぁ・・・睡眠時間が足りてないことはないな｣


｢ん、朝はいつもすっきり起きてるー｣


｢最近だよな、よく授業中に寝てるの｣


｢んー・・・完璧に寝てる時があるのはホント最近｣


｢・・・・・・｣


｢・・・・・・センセーそろそろお手伝い｣


｢あぁー・・・別に今手伝ってもらうようなことなんだよなー｣


｢えー｣


｢・・・そうだな、とりあえずウメさんたちに餌やってきてくれ｣


｢はーい｣










†　体の傷は治っても、心の傷は治ってないんだろうな　†

(はそんなに強い子じゃあないんだよなぁ。)

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