† だって、貴方の瞳はとても優しいから †
最初、加地先輩は怖かったんです。
私、男の人が苦手で・・・
春のコンクールでご一緒させていただいた皆さんと喋るのがやっとで・・・
でも、先輩を見る加地先輩の瞳はすごく優しいものでした。
「笙子ちゃんー」
「あ、先輩、おはようございます」
「おはよー」
先輩は人付き合いが苦手な私に優しく声をかけてくれました。
春のコンクールの時に、香穂先輩と天羽先輩と控え室に来ていて・・・
緊張で固まってしまっていた私に・・・
頑張って、って言ってくれたのがすごく嬉しかったのを覚えています。
「あ、先輩・・・っ」
「うわぁ?!」
「す、すみません・・・っ志水くんがって言おうとしたんですけど・・・っ間に合いませんでした・・・」
「あー大丈夫、大丈夫。笙子ちゃん?気にしちゃ駄目だよ?」
「は、はい・・・」
「ほらー桂ちゃんがぶつかるのはいつものことだし、ね?」
「あ・・・先輩、おはようございます」
「はい、おはようございますー」
「僕、先輩にぶつかりましたか・・・?」
「ん、ぶつかったねー」
「すみません」
「いえいえ」
「あ、冬海さん」
「は、はい・・・なに?」
「今日、古典ある?」
「あ、あるけど・・・」
「教科書、貸して」
「う、うん。何時間目?」
「五時間目」
「じゃ、じゃあ・・・お昼休みに渡しに行くね」
「借りるのは僕です、だから取りに行く」
「そ、そう・・・?」
「そーだよー。桂ちゃんは自分で借りに行きましょうー」
「先輩・・・」
困ってる私に先輩が声をかけてくれる。
私がコンクール参加者の皆さんとある程度お話ができるのも先輩のお陰なんです・・・っ
私がしどろもどろしちゃったときには、いつも先輩が話しを繋いでくれて・・・
話の輪にいつも入れてくれて・・・
私の憧れの先輩。
「先輩」
「ん?」
「これ、あげます」
「飴?」
「はい、飴です」
「ありがと」
「冬海さんも、はい」
「あ、ありがとう・・・っ」
「さんー!!」
「あ、加地くん」
「おはよう!」
「おはよー」
「志水くんも、冬海さんもおはよう」
「お、おはようございます・・・っ」
「おはようございます・・・あ、加地先輩も飴、どうぞ」
「ありがとう、志水くん!」
「さん、今日のお昼お弁当?それとも購買?」
「購買ーパン買うー」
「そっか!じゃあ一緒に買いに行こう?」
「ん」
やっぱり、先輩を見る加地先輩は優しくて・・・
先輩も笑っていて・・・
先輩の笑顔を見ていると私まで幸せな気持ちになれるんです。
「あ、笙子ちゃん」
「は、はいっ」
「昨日、練習室で練習してたでしょ?」
「き、聴こえてましたか・・・?」
「んーん、聴いてた」
「・・・えっと・・・ど、どうでしたか・・・?」
「音、すごく伸びやかだったよー」
「あ、ありがとうございます・・・っ」
「みんなと合わせるときっともっと素敵な音になるだろうね」
「はい・・・っ」
素敵な先輩。
私の周りにはたくさんの素敵な人たちがいる。
それを教えてくれたのは、先輩で・・・
先輩たちと出逢えなかったら、今の私はなかったと思うんです。
「あの、先輩」
「んー?」
「ありがとうございます」
「え?」
「あっいきなりごめんなさい・・・!でも、先輩に伝えたくて・・・」
「そっか、そっか、・・・じゃあ、どういたしましてだね」
† だって、貴方の瞳はとても優しいから †
(素敵な素敵な先輩。私も先輩みたいな素敵な人になりたいんです。)
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