* ぎんいろのたね *
とりあえず、俺・・・二人も人を拾いました。
「とりあえず、名前は?」
「私は、でいいよ?」
一人目に拾った女の子はさんと言うらしい。
笑顔が可愛い女の子。
「で、次アンタは?」
「千艸」
もうひとりは千艸さんと言うらしい。
なんていうか・・・綺麗な男。
「千艸ね。あっ俺は羅貫」
で、とりあえず千艸さんの意味のわかんない話を聞いて・・・
何かは納得してるし。
木がいきなり育つことの説明してもらっても、二人揃って見事にハモリながら・・・
「「羅貫が沙芽だから」」
とか言うし。
「とりあえず、ご飯作ってきていい?」
「え?羅貫のご飯食べれるの?」
「うん、俺料理好きだし」
「うわぁー楽しみ楽しみvv」
・・・なんかよく笑う子だなぁ・・・さんって。
「ってごめんね。いくらこの家の人だからって年下のしかも男の子に・・・!」
「あっやっぱりさんって俺より年上なんですね」
「え?あー・・・うん、見える?」
「見えませんけど」
「あははー・・・やっぱり?」
「あ、はい」
っていうか、何で俺が年下だってこと知ってるんだ?
名前も知ってたし。
千艸さんのことも知ってるみたいだし・・・
一体、何者なんだろう?
「・・・ひとつ、聞いていいですか?」
「ん?」
「は千艸さんと同じ世界の人間?」
「ううん。違うよ」
「じゃあ・・・」
「でも、羅貫と一緒の・・・この世界の人間でもない」
「・・・・・・」
「私がいた世界はまた違う次元の世界・・・なんだと思う」
「・・・・・・」
「どうやってきたのかもわからないし、どうやって帰ればいいのかも分からない・・・」
・・・・・・初めて、哀しそうな表情を見た。
確かに、そうだよな・・・
いきなり自分がいた世界とは違う世界に来て・・・
多分、心細いんだ・・・
「ここにいて、いいですよ」
「え?」
「行く所もないだろうし、俺の家でよかったら」
「・・・ありがとう、羅貫」
「じゃあ俺、ご飯作ってきます」
「うん」
「あっお風呂良かったらどうぞ」
「いいの?」
「うん、あっ着替えは適当に用意するから」
「何から何までごめんね」
「いえいえ」
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