* ぎんいろのたね *
「・・・きゃぁー!」
「うわっ」
いきなり、知らない人の頭上に落ちました。
あっちゃー下敷きにしちゃったよ、人を。
「ご、ごめんなさい・・・!!!」
「いえ、こちらこそ」
「「・・・・・・」」
「え・・・沢羅貫?」
「え?俺のこと知ってる?」
はい、知ってます。
あなたはシルバー・ダイヤモンドの主人公さんです。
しかも、サノメです。
「えっと・・・」
「とりあえず、入って。お茶でも入れるから」
「はぁ・・・」
・・・・・・やっぱり、漫画通りの感じの人です。
羅貫サン。
っていうか・・・私、トリップですか?
うわぁーどうしよう?
「・・・やっぱりすごい緑の量・・・」
流石サノメ。
っていうか・・・ここってまだ異世界じゃないよね?
私にとっては異世界なんだけど。
千艸とか成重さんとか灯二とか来てるのかなぁ・・・?
「おーい」
「あっはーい」
とりあえず、今は・・・羅貫についていくしかない。
だって・・・どうすればいいかわからないし。
今の状況も知りたいって言うのが本音。
「じゃあとりあえず入ってて」
「うん」
「俺、水遣りやってくるから」
「ん。頑張ってねー」
あっ今さらだけど自己紹介とかしてない。
まぁ・・・いっか。
羅貫が水遣りから戻ってきてからで。
「うわ!?」
「ら、羅貫?!」
何か叫び声とか聞こえる・・・!!
この展開ってもしかして・・・
「やっぱり・・・」
千鋃千艸だし。
なんか木は育ってるし・・・
「沙芽だ・・・・・・!」
千艸は羅貫を抱きしめてるし・・・
あれだよね、羅貫が沙芽で感動ー。
って、そんな呑気なこと考えてる場合じゃない!!!
この展開だと・・・妖芽が現れる・・・!
「千艸、アレ!」
「アレ・・・?」
「何だソレ・・・!」
「あれは妖芽。お前は沙芽という生き物だ」
で、そのまま羅貫と千艸が妖芽撃退(?)して終了。
今の私にわかることは・・・
ここが羅貫の家だってことと。
この二人の名前と・・・
これから起こるだろうことのちょっとだけ・・・
それだけしか知らない。
私に力があるなんて全く思えない。
この先、一体どうなってしまうのでしょうか・・・・・・?
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