† 決断の夜、始まりの朝 †
「・・・あぁーマジで合併したんだ」
ジェッソ本部に行ってみれば、今までと全然違う空気。
なんていうか・・・ギスギス?
しかも、白と黒のジャージの人間がいっぱい。
「あ、チャン」
「ねぇ、一つ聞いていい?」
「うん、何?」
「・・・何そのジャージ」
「ジャージって!ひどいなぁー!これ、うちの隊服なんだけど」
「うわぁーそれはそれは。なんていうか、しっかり運動できそうな感じだねー」
ジャージっぽいし。
非常に動きやすそうだよねー。
うん、グランドとか走ってる白蘭を想像したらそれはそれで面白いからよし。
てか、呑気な考えしてるなぁー自分・・・これから大変なのに、ねぇ?
「あ、チャン用にも作ってあげちゃおっか?もちろん白で」
「えぇー黒がいいんだけど。エナメル黒だったら血が目立たなくて非常にありがたい」
「ダーメ。チャンには白い服しか着せないって決めてるから」
「勝手に決めんな」
「でもチャン、タイミングよく来たよねー」
「え?」
「昨日合併したばっかりなんだよー」
「あ、そーなんだ。まぁ、知ってるけど」
「だよねぇー。トロイの木馬のチャン」
「でも、白と黒で分けるなんてシックだね」
「うん、カッコよくていいでしょー」
「ジャージだけどねー」
「だからジャージじゃないんだって」
「白と黒の違いは?」
「ジェッソファミリーが白でホワイトスペル、ジョッリョネロファミリーが黒でブラックスペル」
「で、白のトップは白蘭として黒のトップは?」
「うん、ユニっていってねー可愛い女の子だよー。あ、逢う?」
「んーどっちでも」
「えぇー折角ユニにもチャンのこと紹介しようと思ってたんだから逢おうよー」
「なんて紹介するつもりですか」
「んー僕が今一番興味のある女の子って」
「あ、私に興味あるんだ」
「うん、あるよー」
「ふーん・・・まぁいいや。ん、じゃー逢う。黒のトップに」
◇◇◇
「ユーニ」
「うわっ白蘭サン、女の子の部屋にノックなしとか色々マナー違反だと思われますよー」
「えぇーそうなのー?」
「そうなんです」
「あ、ユニ。この子、チャンっていうんだー」
「あ、どーも。です」
「・・・・・・」
ユニちゃんは何も喋らない。
ただ、無表情で私を見つめるだけ。
あの時見せた、可憐な少女の微笑みとは違う。
「で、チャン。この子がユニ、黒のトップなんだよー可愛いでしょ?」
「うん、可愛い」
「・・・・・・」
「とりあえず、ユニちゃん。ノックなしで入るのはマナー違反だってきっちりみっちり白蘭に叩き込むから安心してね」
「えぇー」
† 決断の夜、始まりの朝 †
(あなたの願いも一緒に・・・彼らに託してみようね。)
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