† 花壇に咲く花より道端に咲くあの花を愛でたい †










「ねぇーチャン」


「何?」


「僕のこと好き?」


「す、好きじゃない!!」


「素直じゃないねーこの前はちゃんと言ってくれたのにー」


「素直じゃなくないもん!この前のあれは・・・言葉のあやだし!!」


「えぇーじゃあ今のチャンの気持ち知りたいなぁー」


「・・・・・・考えとく・・・!!」


「うわぁーまたなんか面白い返答だねー」


「じゃ、じゃあ一時間くらい待ってて!!」


「一時間?」


「一時間で答え見つけてくるから・・・!!!」




















◇◇◇





















「・・・あれ?」




僕の机に置かれた花。

これって、ファレノプシスだよねー?




「期待しちゃってもいいってことかな?チャン」




ファレノプシスの花言葉。

しかも、ピンクのファレノプシスの花言葉は・・・

あなたを愛します。




チャン、花言葉なんて全然知らなさそうなのにねぇー」




必死になって、探し回ってる姿が想像できた。

素直じゃないチャンらしい返答の仕方。

今はこれで許してあげる。

でも、・・・いつかちゃんと口で言って欲しいなー。

出来れば、1年以内に。

でもまぁーまずは、いっぱい好きって言ってもらうことからかな。




「あ、」


チャンー」


「えっと、」


「この花、僕のために用意してくれたんだよね?」




なんて聞けばチャンは頷く。

表情に出さないように頑張ってるけど、すごく恥ずかしいんだろうね、今。

でも多分、他の人にはわからない。




チャン」


「な、何よぉー・・・」


「大好き」


「・・・・・・馬鹿」


「うん。僕、チャン馬鹿だもんー」


「馬鹿、馬鹿馬鹿、白蘭の馬鹿」


「うわっなんかそこまで連発されると流石に凹むねぇ・・・」


「・・・・・・ごめん」




あ、項垂れちゃった。

言い過ぎたって反省してる。

これもチャンの可愛いところだと思うよ。




「じゃーチャンがキスしてくれたら許してあげる」


「えぇ?!」


「それ以外では許してあげませーん」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」




沈黙の後、チャンは僕に背を向けた。

あ、怒っちゃったかな?

うーん・・・これくらいならチャンなら怒らないと思ったんだけどなぁ・・・




チャン、ごめんごめん。ちょっと意地悪しすぎちゃったねー」


「・・・白蘭」


「ん?」




振り向いたチャンは僕の手にあるファレノプシスの花びらを一枚とった。

意味不明なチャンの行動に僕が首を傾けようとした時・・・




「うわっ・・・ッ」




胸倉つかまれて引き寄せられて・・・

唇にはチャンがさっきとったファレノプシスの花びら。

近づくチャンの顔。

花びら一枚隔ててのキス。




「・・・キスしたから・・・!」




顔真っ赤にさせて、今にも走り出しそうなチャン。

なんか、すごく、可愛い。

僕はキスって言っただけで別に唇になんて言ってないのにね?




「可愛いねぇーチャン」


「煩い!」










† 花壇に咲く花より道端に咲くあの花を愛でたい †

(これからもっと、もっと可愛いチャンを見せて?もちろん、僕にだけ・・・ね?)










Fin...
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