†　忙しいから暇を作るんだよ　†










｢あ、隼人ー。ツーくんいる？｣


｢10代目は会議中だ｣


｢あ、そーなんだ。じゃあ、隼人でいいや｣


｢は？｣


｢ちょっと付き合ってよ｣


｢・・・どこにだよ｣


｢行けばわかるって。ほら！｣


｢うわっ｣


｢はいはーい、じゃあちゃちゃっと行くよー｣




















◇◇◇





















｢はーい、着きましたー｣


｢アイス屋かよ！！｣


｢うん｣


｢てか、お忙しい10代目を連れてくるつもりだったのかよ？！｣


｢うん、忙しいからこそ。距離的にも息抜きにはちょうどいいかなぁーって｣


｢・・・・・・｣


｢ほら、ってば年上だし｣


｢・・・俺より年下に見えるけどな｣


｢殴るよ。ねぇ、殴っていいかな｣


｢疑問か肯定かどっちかにしろ！！！｣


｢じゃー殴る｣


｢なっ｣


｢なぁーんてね。今日はアイス食べに来ただけだし、こんな真昼間から鎌振り回す趣味はありませーん｣


｢・・・ってめぇ！！！｣


｢あはっ。あ、ツーくんにもアイス買って行こうか？｣


｢・・・おぅ｣


｢あ、その必要はないですよ｣


｢10代目？！ま、まさかお一人で・・・？！｣


｢俺も一緒なのなー｣


｢野球馬鹿！！｣


｢なるほど。武が一緒なら安心だわ｣


｢さんが獄寺くんと出掛けたって聞いて追いかけてきたんですよ｣


｢あ、そーなんだ。でもよくわかったね、ここ｣


｢今日はいい天気でしたから｣




サンって暑い時、すぐ冷たいもの求めだすし。

そういうとこ、ちょっと可愛いなぁーって思います。

いや、ちょっとじゃなくてサンはカナリ可愛いけど。




｢あーなるほど。てか、会議終わるの早かったなら待ってればよかったね｣


｢イヤイヤ、今回はタイミングがよかったんですよー。てか、山本が教えてくれたんだけど｣




会議室にいきなり入ってきた山本の第一声が・・・

｢サンが獄寺とどっか行ったみたいだから追いかけねぇ？｣

ってだったもんなぁー。もちろん、俺にだけ聞こえるように耳打ちで。

まぁ、俺も気になったから二つ返事でオッケーしたんだけど。

そして、すばやく会議を終わらせたんだけど。

まぁ会議自体世間話になってたからどうにでもなったし。




｢え？｣


｢イエ、なんでもないです。サン、何にします？フレーバー｣


｢抹茶とストロベリーとクッキー＆クリームをトリプルで｣


｢うわっ豪華｣


｢だってアイス久しぶりなんだもん｣


｢なんか意外です。俺のイメージ的にはディーノさんとよく来てそうです｣


｢そう？でもディーと一緒だとなかなかこういうアイスは食べる機会なくて｣


｢あー・・・なるほど納得です。ディーノさんと一緒だと硝子の器に入ったアイスですよね｣


｢そうそう。だからね、こういうアイスは久しぶりなんですよ、好きなんだけどね｣




なんて言いながらアイスを黙々と食べ始めるサン。

あ、ホントに好きなんだ。




｢・・・というわけなので。たまには一緒に息抜きしよーね、ツーくん｣


｢・・・はい｣










†　忙しいから暇を作るんだよ　†

(サンは本当に・・・色々見てる人。)

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