† 朝の幸せは君から始まる †
ピンポーン。
ベルを鳴らす。
来たのは柳に教えられたの家。
「はーい?」
「俺」
玄関越しに聞こえる声。
その声に応える。
は俺だとわかる、そんなほのかな期待を抱きながら。
「雅治くんー?」
「そうじゃ」
嬉しさが声に現れてないか一瞬焦った。
嬉しかった。
俺の声をわかってくれることが。
こんな些細なことなのに喜ぶ自分の姿。
「傑作、じゃね・・・」
初めて感じる想い。
嬉しさ。
「何が傑作なのー?」
「・・・秘密」
「むぅー教えてくれてもいいのに」
「ダメ」
そういってが持っている大きい方の荷物を持ち上げる。
結構重い・・・迎えに来て正解じゃね。
さすが女の子じゃ。
「あっそっち重いよー?」
「女の子は軽いのだけ持ってればいいんじゃよ」
「で、でもー・・・」
「俺が来た意味がなくなるじゃろ?」
「じゃあ・・・お願いしてもいい?」
「いい子じゃね」
隣を並んで歩く。
その心地よさを感じた。
◇◇◇
「ー!」
「ちゃんー!」
「おはよ、!」
「ちゃん、おはよー!」
「詐欺師・・・本当に行ったんだ、お迎え」
の荷物を持った仁王の姿。
しかも、ちゃんとの隣を歩いている。
のペースに合わせて歩いたってわけね・・・
「当たり前じゃ」
「・・・・・・変わったわね」
「は?」
ははっめっちゃ笑える顔。
仁王がこんな顔するとはねー・・・
変わった。
カナリ速いスピードで、あの仁王が。
「アンタよ、アンタ」
「・・・意味がわからん」
「まぁ別にわからなくてもいいんじゃない?」
別にわかる必要なんてない。
ただ、周りから見ればわかる。
に向けている笑顔が本物だってこと。
「、おはよう」
「おはよう、精市くん」
「荷物はバスに入れてね」
「あっはいー!雅治くん、ここまで運んでくれてどうもありがとうー」
「バスまで運んじゃるよ」
「いいの?ごめんね」
やっぱり変わった。
この男が他人の荷物を運んでる姿が見れるなんてね・・・
まぁ・・・も楽しそうだし、それだけであたしは満足。
が笑っていられて、幸せならそれでいい。
† 朝の幸せは君から始まる †
(あぁーでももしも仁王とが付き合うことになったらそれはそれでなんかムカつく気もする!!!)
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