† こんなに近くにいるのに、伝えられないなんて… †










「え?!それ本当なの?!」




門のところまで千石を送っていこうとした時に着信が鳴った。




「わかった、すぐに行くよ!佐伯くん、君も行こう!」


「え?」


ちゃん!窓から落ちて病院に運ばれたんだって!!」


「・・・!」


「行こう!」


「あぁ!」




が窓から落ちたらしい。

そして今、病院にいる。

・・・・・・・・・どうか無事でいて・・・・・・




















◇◇◇





















「おせぇーんだよ、お前ら」




最初に跡部が部室から出て5分以上経っていた。

だからもう跡部達は先に行ってしまっていると思ってた。




「何で・・・・・・」


「待ってたに決まってるやん!」


「そうだぜ!」


「俺たちみんな同じ気持ちだろ」


「みんなで一緒に行ったほうが先輩も喜んでくれると思います」




待っててくれた。

迷ってしまった俺を・・・・・・

跡部達だけじゃない、日吉だってそう。

日吉は俺が外に出ようとするまで待ってくれた。

みんな本当は出来るだけはやくちゃんのところに行きたいはずなのに・・・

俺を待っててくれたんだ。




「ほら、早く行こうぜ」




門の前に止まってる跡部の家の車。

それだけでも跡部がはやくちゃんのところに行きたいって気持ちがわかる。




「ありがとー」


「当然やろ」


「俺たちは仲間だろ!!」




そうだね。

俺たちは仲間だよね。

もちろんちゃんもも。

みんな大切な仲間。

大切な、大切な仲間だよね。




















◇◇◇





















「・・・何やってんのよ」


「あっー」


「こら!ジロー起きなさい!!」


「嫌だCー!」


「起きないとどうなるかわかってるわよね?にも迷惑でしょ!」


「あははっ私は別にいいよー」


ちゃん優Cー!」


「・・・・・・私は知らないからね」


「あっ景吾ー」


「ジロー・・・グランド100周して来い!!」


「えぇー?」


「・・・姫さん何やったん?」


「え?膝枕ー」


「今度俺にもやったってや」


「うん、いいよー」


「忍足・・・」


「ひ、姫さん助けてー!」


「ん?景吾、どぉーしたの?」



「「・・・・・・」」



「・・・何でもない」


「やっぱ跡部も姫さんには弱いなー」




















◇◇◇





















「真田!」




走ってきた氷帝。

顔がすごく焦ってる。

みんなのことを心配してるんだ。




は?」


「まだ・・・目を覚ましていない」


「どんな状況なん?」


「・・・・・・今日、目を覚まさなければかなり危険な状態だ」



「「「「「「・・・・・・」」」」」」」




その言葉を訊いて何も言えなくなっていた。

俺たちもそうだった。

何も出来ないのがすごく悔しい・・・・・・




「跡部くん!」


「千石に・・・佐伯?」


ちゃんは?!」


「・・・危険な状態だ」



「「・・・・・・」」




氷帝の後に来たのが千石くんと佐伯くん。

このふたりも・・・と関係があるのかな?

ここに来たってことは、のことを想ってる。




「・・・・・・あなた方はさんのお知り合いですか?」




が眠っている病室から出てきた医者。




は?」


「・・・危険な状態です。・・・声を掛けてあげて下さい、目覚めれるように・・・・・・」




その医者はそれだけ言ってその場を離れてしまった。

俺は一番にの眠っている部屋に入った。




「あっ丸井先輩ズルイ!」




後ろから赤也が来る。

もちろん、立海は全員。




「・・・君たちはどうするの?」




部屋の前で千石が問いかけているのを聞いた。

氷帝に。

もうどうでもよかった、コイツ等なんて。

だってを傷つけたのはコイツ等だから。




「・・・・・・」


「君達からも声をかけてもらいたいんじゃないかな?ちゃんは」




・・・確かにそうかもしれない。

はコイツ等の為に壊れたから。

コイツ等のせいで壊れたから・・・

を目覚めさせてあげれるのはコイツ等、氷帝なのかもしれない。




「なぁ、・・・起きろよー」




アイツ等が動かないなら別にいい。

俺は願うよ、お前が目覚めれるように。

また笑顔で笑いかけてくれるように。




「・・・・・・」




氷帝の奴等も入ってきた。

でも何も言わない。

ただ立っているだけ。




「なんか言えよ」




何か言えよ。

に声をかけてやれよ・・・!!




「お前らのせいでは・・・!!」


「丸井!」


「丸井先輩、落ち着いて下さい!」




仁王と赤也が俺を止めた。

何も言わない氷帝の奴等に苛立ちが募った。

なぁ、頼むから・・・に声をかけてやってくれよ・・・










† こんなに近くにいるのに、伝えられないなんて… †

(早く目を開けて。)



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