† 裏切りたくないよ(裏切ってしまったけど) †










「将臣?!」


「九郎?!・・・なるほどな、九郎義経か・・・」


「どういうことだ!?将臣!!」


「そのまんまだよ」




気付いていればよかったのか、気付かなければよかったのか・・・

こう、気付かされる運命だったのか。

そして・・・




「やっぱりこうなっちゃうか・・・」




全てを知る女がそこにいた。

多分、いや・・・絶対に知ってたんだよな。




「全てはお前の思惑通りか?」


「うーん・・・嫌なことはね」




聞き覚えのある声。

ここにいるはずがないと思っていた奴・・・




「知盛!?お前・・・」


「この女に生かされてしまったからな・・・」


「はーい、知盛の命をもらっちゃったさんですよー」




この戦場には似合わないような呑気な声。

でも、その中には色々な思惑があることが感じられるような気がした。

俺が剣を向けているのは源頼朝。

それに気付いていないわけでもないよな・・・




「景時、殺れ」


「しかし・・・」


「景時」


「・・・御意」


「本当に、嫌なことは変わらないんだ・・・これが景時の答えなんだね」


「・・・ちゃん・・・」


「いいんだよ、景時が選んだ道なら仕方ないもん」


「・・・・・・」


「でも、撃たせないよ」




俺の景時の間に立つ

銃に恐れることもなくただ、俺の前に立ち、景時に銃を向けている。




「まさか、こんなことになるとは思わなかったよね」


「・・・・・・ちゃん、そこを退くんだ」


「嫌」


「・・・ちゃん!!」


「絶対に退かないよ」


「・・・・・・」


「あーこれもまた謀反の一つかな。鎌倉殿の命に背いているもん、私は・・・鎌倉殿の命に従うつもりもない。

あとは、平敦盛を鎌倉に送ることもせず、共に行動してるし・・・尚且つ、平知盛を鎌倉殿に差し出すつもりもない。

その他諸々・・・とにかく鎌倉殿の命令に反していることがいっぱい。・・・でも・・・これが私が選んだ道」


「・・・・・・」


「でも、ここで捕まるつもりは全くないから・・・将臣、船貸してよね」


「あ、あぁ・・・」


「ここは源氏も平氏も関係無し!今はこの場を離れることを考えて!

言っておくけど、ここで退かなければTHE ENDだからね、ゲームオーバー全員死んじゃうんだからね」


「しかし・・・!!」


「九郎、さんの仰るとおりです」


「ここは私に任せて将臣の船へ行きなさい」


「先生・・・わかりました」


「でも、先生!」


「案ずるな、必ず将臣の船へ行く」


「大丈夫だよ、望美ちゃん。リズ先生よろしくお願いします」


「うむ」


「景時、またね」


ちゃん・・・!」










† 裏切りたくないよ(裏切ってしまったけど) †

(きっとコイツは知ってたんだよな。)



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