† どちらかが滅びるまで一生続く戦い †
「・・・たぁ!!」
「・・・甘い」
知盛は決して優しくない。
それは当然のこと。
剣を握れば怪我をするし、死ぬかもしれない。
それを彼は教えてくれる。
「え、あっきゃ!」
彼の剣は重い。
だからまだ、剣を始めたばかりに私にはとても受け止めれない。
すぐによろけそうになる、倒れそうになる。
「っと、知盛ー少しは手加減してやれよ」
「だが・・・この女は手加減を求めていないぜ」
「うん、手加減しないで」
将臣に支えられている姿で言うから・・・
全く説得力も迫力もないのだけど。
それでも・・・手加減はしないで欲しい。
目に見えすぎる手加減は・・・
「・・・無理するなよ」
「ありがと、将臣」
知盛も全く手加減をしてくれていないわけではない。
だって、手加減をしてくれてなかったら一撃で私は血の海を見ることになる。
私の、血の海を・・・
「、続きをするのか?」
「するよ、当然」
「クッ・・・いい瞳だな」
「知盛、覚悟!!」
響く剣の交わる音。
確かに感じるのは知盛の全て。
剣を交えることによって・・・知盛を感じる。
それでも、まだ足りない。
もっと、もっと強くなれば・・・もっと感じることが出来るのかもしれない・・・
◇◇◇
「重盛兄上、代わってやる」
「いいのか?」
「あぁ・・・あの瞳に殺されそうだからな」
「・・・なんだよそれ」
「やってみればわかるさ・・・」
「知盛休憩ー?ずるいー」
「お前も休んでもいいんだぜ?」
「・・・休まない。だって、練習が必要だもん」
練習が必要。
だって熊野の夏にも限りがある。
時間がない。
時間が足りない・・・
「知盛、何か買ってきてやれよ」
「・・・気が向いたらな」
「お土産期待してるからねー」
「じゃ、始めようぜ」
「お願いします」
強くなりたい。
みんなを守れるような強さを・・・
私も欲しい。
努力で手に入れられるのなら、手に入れたい。
だから自分の出来る限りで頑張りたい。
これから待ち受ける運命のためにも、絶対・・・
◇◇◇
「そろそろ休憩にしようぜ?」
「でも・・・!!」
「やりっぱなしっていうのも・・・な?」
「・・・うん、そうだよねー」
正直なところ、の剣がここまで向かって来るとは思わなかった。
知盛の言うとおり・・・
あの瞳には殺されそうだな。
「お前は十分頑張ってるからさ」
「だって強くなりたいもん」
強くなりたい。
その想いはわかる。
俺だってそうだった・・・世話になった平家の奴らを守りたい。
そのために俺は強くなった、この力を手に入れた。
「おっ知盛」
「あっ知盛ーおかえりー」
「・・・・・・終わったのか?」
「休憩。お前の言ってた言葉の意味わかったぜ」
「あぁ・・・殺されそうだっただろう?」
「まぁな」
「二人とも意味わかんない。私が二人を殺せるわけないじゃん」
「どーだろうな」
「・・・・・・」
「で、知盛ーお土産は?」
それが本題、とばかりに知盛を見つめてる。
「・・・・・・如何でしょうか?姫君」
「うわぁ・・・すごく綺麗。これってもしかして舞扇?」
「あぁ・・・いつまでも男物を使うよりはいいだろう?」
そういや・・・も舞ってた時は知盛の扇使ってたんだよな・・・
アイツどこから出したんだかわかんなかったけど・・・流石貴族。
「すごいー綺麗だよーねっねっ将臣!!」
「なぁ・・・知盛。お前が選んだのか?」
「・・・悪いか?」
「いや、別に・・・」
知盛が物選んでる姿なんて想像できねぇ・・・
しかも女のために。
「ありがとう、知盛!大切にするねー!」
まぁ・・・コイツにとってもが喜んでる姿が一番ってことか。
結局、この目の前の女にやられちまってるんだよなぁ・・・俺も、コイツも。
「将臣ー?どうしたの?」
「別に、何でもないよ」
「ふーん・・・あっそうだ、後白河院どうする?」
「やっと行く気になったのか?」
「うーん・・・だって当初の予定はとりあえず達成だもん」
「院の御前に行くのならそれなりの準備は必要だろう?」
「準備ー?」
「あぁ、確かにそうだよな」
「でもー院はいつでも来ていいよーって言ってたよ」
「「・・・・・・」」
「何でそこで黙っちゃうかなー?」
「お前何者だよ・・・」
「え?ー」
「そうじゃなくってなぁ」
「京で雨降らしたから顔見知りさんなの」
「・・・マジでお前が何者なのかわかんねぇ・・・」
† どちらかが滅びるまで一生続く戦い †
(てか、マジ・・・想像できねぇ。知盛の奴が女物の扇選んでる姿なんて。)
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