† 最期の時まで側に居させて †
「都落ち・・・か」
この運命は変えられなかった。
兆しはあった。
清盛お義父様の死。
南都の制圧。
倶利伽羅峠の戦い。
私は知っていたのに、変えられない運命。
「・・・」
「ん?」
「一緒に行くのか・・・?」
「将臣、何よその言い方」
まるで私は置いていこうとしてるような発言。
「私だって・・・平家一門だよ」
血の繋がりもない。
繋がりといえば・・・この人たちと婚約者だということだけ。
将臣、知盛、重衡・・・この三人・・・
この三人だけじゃない平家一門から沢山の愛情をもらった。
・・・十分じゃない。
「落ちるならば何処までも・・・例えそれが険しい道でも、どんなに苦しくても一緒に行くよ」
考えていたこと。
この世界が遙か3の世界であるとわかった時から・・ずっと・・・
平家の都落ちという運命は変えることが出来ない。
だから、その先の立ちはだかる運命を変えようって・・・
「・・・」
「クッ・・・気の強い女だな」
「強くなんてないよ」
どちらかといえば・・・私は、弱い。
幾ら将臣たちと鍛錬をしていても・・・
男と女、その力量の差がある。
努力だけじゃ、埋められない・・・
「強いさ・・・お前は・・・」
「姫君、母上がお呼びです」
「時子お義母様が?」
「はい」
「ん。じゃあちょっと行ってくるね」
◇◇◇
「時子お義母様、入ります」
「・・・殿」
「はい」
「あなたがよく行かれていました店の店主殿があなたを引き取りたいと申しております」
「え?」
「そうすることが、あなたのためにもなると思うのです」
「それは・・・」
「もちろん、決断を為すのはあなたです」
「じゃあ・・・私は平家一門と共に参ります」
「殿・・・」
「私も平家一門です。一緒に行かせてください」
「殿、しかし・・・」
「時子お義母様、私は決断しました」
「・・・・・・」
「私はこれから・・・将臣、知盛、重衡と一緒に・・・平家一門をお守りします」
大好きな人たちの未来。
お先真っ暗なんてごめんだもん。
どうせなら・・・みんなで幸せになりたい。
その道を示すことが出来る存在になりたい。
この手で守りたい。
大切なものを・・・
† 最期の時まで側に居させて †
(どこまでも、どこまでも・・・彼らとともに。)
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