† 微かに泣いた一輪の花 †
「」
「わっアシュヴィン!いきなり何?!」
ノックも無しに普通に私の部屋に入ってきたアシュヴィン。
「そんなに驚くこともないだろう?」
「だ、だって!ノック位してよね!」
基本的にみんなそうだったもん!
私の部屋に入るときは絶対ノックしてくれたし!
「俺の花嫁は大層我侭でいらっしゃる」
「アシュヴィンに言われたくないっ!」
アシュヴィンだって相当我侭じゃない!
我侭でリブとかに迷惑かけてるの知ってるんだから!
「ははっそれはそうかもしれないな」
あー・・・でも、なんか負けた気分。
アシュヴィンの笑った顔好き。
「で、どうしたの?」
「笹百合を観に行かないか?ちょうど見ごろのはずだ」
「私はいいけど・・・仕事溜まってるんじゃ」
「あぁ、今日の仕事ならリブに任せてきた」
「・・・押し付けてきたの間違いでしょ」
「そうとも言うな、で、どうする?」
「リブには悪いけど、行く」
「ははっそれでこそ俺の花嫁だ」
コンコン。
「兄様!義姉様!」
「・・・拙いな。どうした?シャニ」
「リブが兄様を探してたよ」
「そうか・・・じゃあリブに伝えてくれ。ちょっと花嫁と笹百合を観に行ってくると」
「なるほど、兄様はリブに仕事全部押し付けたんだね」
「あぁ、流石にそろそろ相手してやらないと花嫁に逃げられてしまうからな」
「に、逃げたいしないよ!」
「あははっ相変わらずなんだね、兄様と義姉様は。いいよ、兄様の代わりに僕がリブの手伝いするから!」
「え?」
「だって、ありえないと思うけど・・・僕も義姉様が逃げたら嫌だし。最近、兄様忙しくて義姉様とゆっくり出来てないんでしょ?」
「悪いな、シャニ」
「全然!僕は兄様も義姉様も大好きだからね」
なんて言ってシャニは私の部屋から出て行く。
とりあず、アシュヴィンと笹百合を観に行くことは安心して行っていいみたい。
「なんていうか・・・いい子だよね、シャニって」
「俺の弟だからな」
「・・・・・・今日はそういうことにしておいてあげる。それより!早く行こう?」
「あぁ、そうだな。・・・では、お手をどうぞ」
「えぇ?!」
「なんだ、俺の手は取れないのか?」
「そ、そういうわけじゃないけど・・・!」
「ほら、早く掴め。置いていくぞ」
「ま、待ってよ!」
† 微かに泣いた一輪の花 †
(でも、あなたの一言で私は笑うの。)
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