† 私は敵でもないが味方でもない †










「そこのキレーなお姉さん!よかったら一緒にお茶でも・・・!」


「ん?高校生がこんな時間にこんなトコうろついてたらダメだよー?って、正臣くんか」




突然、女の人。

・・・基、女の子に声をかけた正臣。

で、その女の子の返答は唖然とするもの。

今の時間はまだ6時30分。

高校生だってたくさんこの池袋にいる時間。




「・・・・・・、さん・・・」


「え?正臣、知り合い?」


「・・・直接的にはそんなに関係ないけどな」


「あらあら、ちょっと前にも突然ナンパしてきたくせにねぇ?」


「えぇ?!正臣ナンパしたの?!」


「アレは偶然というか、なんと言うか・・・」




正臣がおかしい。

もともとおかしい奴だけど、何かがおかしい。




「あ、正臣くん。今はまだ大丈夫だよ?」


「・・・信じていーんですか?」


「どうぞどうぞ。てか、私と一緒にいる時は悪いことは起きないしね」


「・・・よし、じゃー改めて!!お茶でもどうですか?」




何かに安心したように、

正臣はいつもの正臣に戻った。

・・・・・・静かだったのは一瞬だったな。




「そこの自動販売機のジュースでよかったら奢ってあげるよ?三人分」


「やりぃ!さすがさん太っ腹!さすが社会人っすね!」


「まぁ、ジュースくらいならね。さすがに、私の安月給じゃ三人を高級フレンチには連れて行ってあげれません」





















◇◇◇




















「はい、じゃー何にする?」


「え、あ、あのっ!初対面の人に奢ってもらうなんて!!」


「んー別にいいんじゃない?私もちょうどのど乾いてたし」




120円の缶ジュース×3。

計360円。

私の時給よりは安いから問題なし!




「で、でも・・・」


「さぁ押した押した」


「俺いっちばーん!!!さんの好意を受けないとは万死に値するぞ!」


「あはっそれいいね。じゃー万死に値するらしいから是非ね?」


「は、はぁ・・・」




一番手は正臣くん。

で、そのあとに男の子と女の子が続く。

でも、まだ納得してる雰囲気はなくて・・・

仕方ない、じゃーこうしますか。




「あ、じゃーお近づきのしるしに二人とも私に名前を教えてくださいな?」



「「え?」」



さん、この二人は・・・俺の友達なんです」


「うん、わかってるよー」


「だったら、」


「名前くらいならいいでしょ?私、名前で人殺せないよ?」


「殺・・・?!」


「あぁ!!!もう、さんもしっかり二次元の人間過ぎますって!!!」


「あはっ狩沢ちゃんと昨日遅くまでチャットしてたからついねー」


「あ、あの・・・私、園原杏里と申します」


「杏里?!」


「ジュース、ありがとうございます」


「いいえいーえ」


「竜ヶ峰帝人です」


「エアコンみたいだね」


「・・・・・・それ言われたの二回目です」


「え?」


「同じこと言われたんです。折原臨也さんに」


「あー・・・アイツなら言いかねないね。って、それじゃあ私もアイツと同レベル?!」


「同レベルというか、同類って感じですよね・・・」


「殴るよ、正臣くん?」


「すみませんでした!!」


「あ、ご丁寧にありがとね。私は、よろしくね?」




ダラーズの創始者、竜ヶ峰帝人くん。

黄巾賊の将軍、紀田正臣くん。

妖刀・罪歌の宿主、園原杏里ちゃん。

なるほど、ね。

役者は揃った、というわけか。

てか、臨也がわざわざ待ち合わせ場所を池袋にした理由は、私をこの三人に逢わせるためだったんだ。

あーなんか、臨也の盤の上にいるようですごい嫌だ。




さんも折原さんと知り合いなんですか?」


「お、おい、帝人!」


「うん、まぁね。あと、とかでいいよ?あ、杏里ちゃんもね!」


「は、はぁ・・・」


「は、はい・・・っ」


「ま、とりあえず。私と一緒なら8割方平和だから安心して?」


「確かにそうですよね・・・この池袋で一番平和なのはさんの傍かもしれない」


「そうそう。でも、その代わり・・・平穏には程遠いけど、ね?」


「そういうことだから、さんに近づくときは気をつけるように!」


「杏里ちゃんは大丈夫だよ。私、女の子には基本的に優しいつもりだから」


「男には結構厳しいですよねー」


「当然でしょ・・・あ、そろそろ行かなきゃ。あ、正臣くん」


「なんっすか?」


「私、今日・・・露西亜寿司に行くつもりだから。近づかないほうがいいよ?」


「・・・りょーかいです」


「じゃあ、またねー!」





















◇◇◇




















「あら?迎えに来てくれたの?」


「うん、お姫様はお喋りが長いからね」


「失礼な!でも、まぁ・・・臨也の思惑通り、逢っておいたよ」


「それはよかった」


「あーあ。でも、なんか臨也の盤上にいるみたいですごく嫌な気分ー」


「そう?君は盤上にいるのが好きだと思っていたけど?」


「まぁ・・・蚊帳の外よりかは全然いいけどね」


「なかなか面白かっただろう?あの三つ巴は」


「臨也ってさーホント性格悪いよね」


「君に言われたくないよ」











† 私は敵でもないが味方でもない †

(でもそんな臨也も含めて全部ぜぇーんぶ大好きなんだけどね)



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