† 大丈夫、大丈夫だよ、側にいるから †
「・・・誰もいない・・・」
いつもなら、みんなでわいわいしてるのに・・・
今日に限って誰もいない、なんて。
「ひゃぁっ!」
い、今近くで光ったよね?
も、もしかして、近くに落ちたとか・・・?
「なんや、ちゃん。大きい声だしてどうしたん?」
「蓬生さん・・・!」
ちょうどいいとこに・・・!
蓬生さんだったら、一緒にお茶とかして話し相手になってくれるかも!!
「もしかして・・・ちゃん、雷怖いん?」
「こ、怖くない!」
嘘。
本当はすごく怖い。
でも、なんとなく怖がってることに気づかれたくなくて・・・
怖くないなんて嘘をついた。
「そうなん?」
「う、うん!」
「ほんなら、俺は部屋に戻るわ」
「え、行っちゃうの・・・?」
思わず、立ち上がろうとした蓬生さんの袖を掴む。
あ・・・
どうしよう。
これじゃあ、怖がってることばれちゃう・・・
「ほんまに可愛いなぁ、ちゃん。怖い、って顔に書いてるで?」
「そ、それは!!」
「もうちょっと素直になり?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・雷、怖いから一緒にいてください・・・」
「よく出来ました」
なんていって、蓬生さんは私の頭を撫でた。
「お茶でも入れたろか?落ち着くで」
「あ、・・・うん」
「大丈夫。雷鳴らんくなるまで一緒にいたるから」
「ほんと?」
「雷に震えてるちゃん一人置いていくなんて出来んわ」
「・・・ありがと」
「その代わり、俺も男やってこと、覚えといてな?」
「え、それってどういう・・・」
「そのまんまの意味や」
† 大丈夫、大丈夫だよ、側にいるから †
(蓬生さんがいてくれるだけで、私、安心してる。)
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