† 敵でもあり味方でもある存在 †
コンコン。
「暁彦さん、来たよ」
・・・返事なし。
「・・・無用心」
ドアノブを回せば扉が開く。
珍しいな、暁彦さんが鍵かけないなんて。
「・・・げっ、もっと無用心な奴がいる」
無用心すぎるだろ。
しかも、俺が入ってきても気づかないし。
「おーい、ー」
「・・・・・・」
「起きねぇし」
てか、無用心っていうよりむしろ・・・無防備?
まぁ・・・暁彦さんの部屋だもんなー。
「ー。起きねぇと・・・襲うぞー?」
・・・はい、反応なし。
見事に爆睡中。
「なんかムカつくし、悪戯してやろっかなぁー」
「桐也」
「・・・暁彦さん、いつからいたわけ?」
・・・なんか、俺ヤバくねぇ?
暁彦さん、めちゃくちゃ睨んでるし。
「お前が彼女に近づいたあたりで戻ってきていた」
「物音立てずに入ってくるなんてヒドイなぁー暁彦さん」
「・・・・・・ぅ・・・ん・・・あ、桐也がいるー」
「」
「ん?なぁにー?」
「鍵はかけるように言っておいたはずだが?」
「あー私、鍵かけるの忘れてた?」
なるほど。
無用心なのはだったってわけか。
まぁそうだよなぁー。
暁彦さんが鍵かけ忘れるとかまずありえない。
「桐也だったからよかったものの、何かあってからでは遅いということを理解したまえ」
「はぁーい」
てか、暁彦さん。
俺がに信用されてるってことなのか、男として見られてないのかどっちなんだ?!
「あ、今更なんだけど・・・暁彦お兄ちゃんと桐也が喋ってるの初めて見た」
・・・暁彦さん=暁彦お兄ちゃん・・・だよな?
しかも、暁彦さんは暁彦さんでのことって呼んでたし。
・・・いったいどういう関係なんだよ・・・
「と暁彦さんってどういう関係なわけ?」
「暁彦お兄ちゃんは昔一緒に遊んでくれてたお兄ちゃんでーす」
「マジかよ・・・」
「マジマジー」
・・・どこに敵が転がってるかわかんねぇー・・・
とりあえず、障壁高すぎ。
よりにもよって暁彦さんとか・・・マジ勘弁して欲しい。
まぁ、簡単に諦めるつもりはないけど。
「・・・アンタってホント最強」
「え?」
「そろそろ俺も本気で行くから。覚悟してなよ」
「は?何が?」
「じゃあね、暁彦さん」
「ちょっと!私には?!」
「はいはい。またな、お姫サマ」
† 敵でもあり味方でもある存在 †
(さて、じゃあ俺も本気で行くとしますか。絶対に、負けない。)
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