† 海はおおらかな蒼、空は自由な青 †
「あ、先客がいた」
私のお気に入りの場所。
普通科校舎の屋上。
音楽科校舎の屋上に比べて需要度が低いというか・・・立ち入り禁止場所。
だから、人がいること自体が珍しい。
「加地くんって寝顔も綺麗だねー」
女としてちょっぴりジェラシー。
髪もサラサラだしー。
「ん・・・」
「あ、起きた?起こした?」
「・・・・・・さん?」
まだ覚醒してないっぽい?
加地くんがちょっぴりぼーっとしてるー。
貴重貴重。
「えっと・・・さん?どうしてここに・・・」
「ここ、私のお気に入りの場所だもん」
「・・・そっか、ごめんね」
「なんでー?」
「君のお気に入りの場所に勝手に入って」
「んーん。いーよ」
別に私のものじゃないし。
屋上はみんなのものですよー。
立ち入り禁止だけど。
「ありがとう」
「でも、加地くんがいるなんて意外だったー」
「この間偶々入ってみてね、気に入っちゃったんだ」
「そっかー」
「さんは日野さんと一緒じゃないんだね」
「ん、今日は火原先輩とランチタイムなのですよー」
私は香穂ちゃんと火原先輩の邪魔をする気はありませんー。
だって、二人のこと大好きだし。
応援してるもん。
それに、香穂ちゃんも火原先輩も一緒にご飯食べてくれるときもあるし!
一週間に一回くらいは必ず。
その決めはお互いに気を使い合ったりしないでいいから、色んな意味でいいんです。
「なるほど」
「というわけで、火原先輩と香穂ちゃんが二人でご飯でちょっぴり寂しい私を慰めてください」
「ふふ、喜んで」
加地くんは面白い。
私のこんなノリにものってくれる。
寂しいのは本当だし。
でも、気を使ってるわけじゃあない。
「さん、ご飯は?」
「ん?コレ」
「・・・・・・お弁当?」
「うん、梁ちゃん特性」
私の好きなもの満載お弁当。
私ってば好きなものしか食べないから。
まぁ・・・梁ちゃんが好きなものしか食べないことを許してくれるのはお弁当でだけだけど。
普通に梁ちゃんの家でご飯食べてたら嫌いなものでも食べたことないものでも問答無用で食べさせられる。
「・・・・・・」
「加地くんも食べるー?梁ちゃん特性のお弁当美味しいよー」
「・・・じゃさんもこっちも食べる?」
「え?」
「僕特性のお弁当」
「加地くん特性?」
「うん。この前から練習中なんだ、料理」
「へぇー・・・あ、卵焼き食べたい」
「どうぞ・・・あ。さん、待って」
「ん?」
「はい、口あけて」
「え?」
「口、あーんってして?」
「あ、わかった。あーん」
口を開けば加地くんが卵焼きを入れてくれる。
あ、なんか美味しい。
出汁撒き卵。
「どうかな?」
「美味しい!なんか初めて食べた味!出汁撒き卵?」
「うん、さんの口に合ったみたいでよかったよ」
「美味しいね、出汁撒きー」
加地くんは料理上手です。
この出汁撒きだけでお嫁に行けると思われます。
「作ってみたら結構簡単だったよ」
「えぇーそれは加地くんが器用だからだよー絶対」
「そうかな?」
「絶対そうだよー」
† 海はおおらかな蒼、空は自由な青 †
(男の人がお料理上手ってなんかいいよね!)
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