* 057:見ているだけで幸せ、なんてどの口が言ったのかしら *











「神子姫様!」


「あ、ヒノエくん」


「そんなに勢いよく走っていたら転ぶよ、


「ヒノエくん!いた!」


「ふふ、そんなに慌ててどうしたんだ?」


「ヒノエくんのこと探してたの」


「なんだ、俺を探してくれていたとはね」



神子姫様の目線の先の別の男に嫉妬しそうになっていたよ。

まさか嫉妬していた相手が自分自身とはね。



「走らせて悪かったね、俺の姫君」


「ううん!ヒノエくんに逢えてよかったよ!」


「でも、姫君はどうして俺を探してたんだい?」


「えっと・・・一緒に熊野散策できたらいいなぁーって思って」


「ふふ、お前は本当に可愛いね」


「えぇ?!」



まさか、姫君からそんなお誘いを受けられるとは思ってもいなかった。

嬉しいね。



「そうだな、探してくれたお礼に・・・贈り物をあげるよ」


「え?」


「熊野の一番俺のお気に入りの風景を姫君に」


「え・・・でも、いいの?」


「当たり前だろ。俺の姫君」



お前にだったら俺の全てをあげてもいいよ。



「きっとお前も気に入るよ」


「うん!すっごく楽しみ!」


「さぁ・・・お手をどうぞ、俺の姫君」





















057:見ているだけで幸せ、なんてどの口が言ったのかしら










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ヒノエ by 遙かなる時空の中で3

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