* 011:逃げることを望むあなたには、決して逃げ場所など与えてあげません *
「ー」
「・・・何?」
「うわぁーメッチャ不機嫌?」
「えぇ、不機嫌です」
「そんな不機嫌な顔してたら倖せが逃げちゃうわよー?」
「・・・私の倖せが逃げちゃうのは誰の所為かしらー?」
「もしかして、もしかしなくても・・・ア・タ・シ?」
「そう。・・・なんでオネェ口調なのよ」
「似合うでしょー?」
「はぁ・・・」
全く、この男は・・・
とりあえず、無視決定。
こういう時は無視するに限る・・・!!!
「溜息の次は無視かよー」
「・・・・・・」
無視続行。
普通の口調に戻ったけど、この際無視続行決定。
「ふーみんに言いつけてやるーーー!!」
何でそこにふみくん出てくるわけ?!
ふみくん可哀想じゃんーー!!
でもでも、無視するって決めたし!!
ごめん、ふみくん!!
「・・・」
「・・・・・・」
「これ以上放っとかれると、俺、淋しくて死んじゃう」
「はぁ・・・」
もう、その顔反則。
しかも、この男わかっててやってる。
「・・・・・・」
あーーーーーーっ!!
もう、耳元で名前呼ぶなぁーー!!!
耳弱いんだって!!
知ってるでしょーーー!!!
「わかった、わかった!相手するから!耳元は止めてーーー!!」
「あらーん、顔真っ赤にしちゃってーか・わ・い・いv」
「ちーづー!!///」
「真っ赤じゃなくても、は可愛いけどねー」
「バカばか馬鹿バカばか馬鹿ーーー!!!」
「そんな漢字、カタカナ、ひらがな羅列してまでバカって言わなくても・・・」
「だって!だってちづが!ちづがーーー!!!」
「はいはい、俺が悪いです。馬鹿です」
「あーもう!なんか子供扱いされた気分ーー」
「子供でしょ」
「同じ歳の癖にーーー!!!」
「アタシは色んな修羅場を潜り抜けてきたからねー」
「またオネェ口調に戻ってるしーーー!」
「もうー我侭なちゃん」
「ちゃんなんて呼ぶなーーー!!」
「はいはい、叫ばないの」
「叫ばしてるのは誰よーーー!」
「ん?俺?」
「わかってるならーーー」
「あー・・・わかった、塞げばいいんだ」
「なっ・・・?!」
「あ、残念。塞ぐ前に閉じられちゃった」
「な、何言ってんのよーーーー!!!」
011:逃げることを望むあなたには、決して逃げ場所など与えてあげません
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堤千弦 by リトルエイド
私的にちづは策士希望。(笑)
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