* 006:好きだと叫び続けてもあなたの耳には決して届かないのね *










「ここから見る景色好きなんですか?」



城の最上階から外を見ているに声をかける。

まさか俺が来るとは思っていなかったのだだろうか、一瞬驚いた顔が見えた。



「うん、すごく好き」


「俺も、好きですよ。ここからはこの国が一望できますからね・・・・・・」


「そう・・・素敵な国だよね、ここは」


「えぇ・・・陛下が治められている国ですからね」


「ふふ、陛下なんて言ったらまた有利が怒っちゃうよ」


「そうですね」


「だから今の言葉は聞かなかったことにしてあげます」


「ありがとうございます」



にっこりと無邪気な笑顔を浮かべる。

この笑顔を見れば誰もが笑顔になる。

そんなの微笑み。



「でも、ここは冷えますよ?」


「え・・・?」



の手をとってみると予想通り冷たくなってしまっている。



「ほら・・・あなたの手はもうこんなに冷たくなってしまっている」


「コンラッドの手、暖かいね・・・」


「さぁ、中に入りましょう」


「えぇーもうちょっと見ていたいのに・・・」


「ダメです」


「むぅ・・・」



そんなに可愛らしい顔をされてしまったら・・・と、頷きそうになってしまうのを堪える。

ここで俺が頷いてしまえば彼女が風邪をひいてしまうかもしれない。



「温かいココアでも淹れて差し上げますよ」


「ココア?」


「はい、俺が淹れるのでよければ」


「本当?嬉しい!」



ココアがお気に召したのか自分から部屋に入っていく。

そんなの背を見つめながら呟く言葉は・・・



「もしあなたに風邪でもひかれたら俺は気が気でなくなってしまいそうですから・・・」



この言葉はきっとあなたには届いていないのでしょうね・・・





















006:好きだと叫び続けてもあなたの耳には決して届かないのね









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コンラッド by 今日からマ王!

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