* 風邪引き姫と王子様たち *











「おい、


「ん?」


「お前・・・顔赤くないか?」


「え?そうかな?」



景吾の手がおでこに当てられる。

あ・・・景吾の手、冷たくて気持ちいい・・・



「・・・やっぱり、熱だな」


「熱?私元気だよ?」


「とりあえず、保健室・・・いや、部室のほうがいいか」


「ちょ、ちょっと?景吾?」



何かいつの間にか景吾が一人で全部決めちゃってて・・・

私はいつの間にか抱き上げられてる状態。



「病人を歩かせるわけにはいかねぇだろ?」



恥ずかしいです、景吾サン。

でも、多分、私の恥ずかしい思いが景吾に伝わってもこの状況が変わることはない。

景吾、一度決めたことは最後まで実行するタイプだし。

心配してくれてるっていうのが、すごくわかるから・・・

だから、ちょっとだけ、甘えさせてね?



「・・・じゃあ、お願いします」


「あれ?と跡部やん、何してるん?って言うかなんでオヒメサマ抱っこなん?」


「あっ侑士」


を部室に連れて行くところなんだよ」


「部室?何でなん?」


「コイツ・・・熱があるんだよ」


「マジで?、ちょっとごめんな?」



あっ侑士の手も冷たくて気持ちいい・・・



「ホンマや、なんで学校来たん?」


「熱があるなんて気付かなかったから・・・」



朝、普通に元気だったんだけどなぁ・・・

朝練も普通に参加してたし。



「なんからしいなー」


「・・・忍足も行くか?」


「当然、行くに決まってるやろ」


「二人とも・・・授業あると思うんだけどー?」



今は休み時間でも、もうすぐ休み時間も終わっちゃうし・・・



「そんなこと関係あらへん。のことが心配なんや」


「そういうことだ」


「もう・・・」



二人がそんな風に心配してくれるのすごく嬉しい。

景吾も侑士も私のこと甘やかし過ぎてるような気もするけど・・・



「ありがとね、二人とも」





















「起きやがれ、ジロー」


「んーあとベーにおしたりーに・・・!?」


「ジローが寝るからそこ退いてな」


「それはEーけど。どうしたのー?」


「コイツ、熱があるんだよ」


「えー?!マジー?!、寝なきゃ寝なきゃ!」


「ジロー煩い」


「ごめん、!俺大人しくしてるーゆっくり寝ててね」


「ありがと、ジロー」



そう言いながらジローはメールを打ち始めてる。

ごめんね、折角寝てたのに場所とっちゃって・・・



「んーん、が苦しんでるの俺嫌だCー」


「ジロー、誰にメール送ってるん?」


「ん?それは・・・秘密、もうちょっとしたらわかるよん」



も楽しみにしててね、ってジローは笑ってる。



「・・・何となくわかったわ」


「俺もだ」


「え?私わかんないんだけど・・・」



なんか景吾と侑士も納得しちゃってるし・・・

私だけわからないのっておかしいのかな・・・?



!!」





バンッッ



勢いよく部室の扉が開かれる。

開いた人物は見知った人で・・・



「岳人、もうちょっと静かに開けないとアカンで」


「ごめんごめん!のこと心配だったんだからしょーがないじゃん!!」


「岳人?」


!大丈夫か?!」


「うん、大丈夫だよー。でもどうして岳人が?」



私、ここに来るまでに岳人に逢ってないよね?

それなのに・・・



「ジローからメールが来たんだよ!!」


「あ・・・」



つまり、さっきジローがメール送った相手って・・・

テニス部のみんな・・・?



、大丈夫?」


「萩之介も来てくれたの?」


「うん、のことが心配だったからね。ほら・・・宍戸も一緒だよ」


「亮まで・・・!」



何かちょっと申し訳ないな・・・

今、授業中だし。

みんな、授業抜けてきてくれたんだよね・・・



先輩!!」


「長太郎?若に崇弘まで?!」


「大丈夫ですか?先輩」


「・・・ウス」


「大丈夫だよ」


「良かったです!!」



何か、みんなが来てくれて、こうして心配してくれて・・・

元から自分は元気なつもりだったけど・・・

もっと元気になれちゃったみたい。



「心配かけちゃってごめんね」


「いえ!いいんです!!先輩ですから!」


「そうですよ、先輩」


「ウス」


、何か欲しいものがあれば言ってね?」


「無理するなよ」


「・・・みんな、本当にありがとう。大好き!」




















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桜月由姫様からのリクエストで・・・人魚の涙の番外編です。

とりあえず、メインの氷帝で・・・逆ハー風味にしてみました。

逆ハーとか言いながら、一言くらいしか喋ってない人もいますが・・・(汗)

どうしても全員登場させたくて微妙な長さになってしまいました・・・っ!!

この季節、結構風邪をお召しになられる方が多いとのことなので風邪ネタにしてみました。

最近人魚の涙ちょっとシリアスモードが続いていたので・・・

こんな風に甘い感じのお話が書けて楽しかったです。(笑)

由姫さん、リクエストありがとうございました。
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