* たったひとり愛する人を見分ける魔法 *
「楽しみじゃね、明日」
なんて言うのは私の双子の弟・・・の雅治。
髪の色もほとんど何もかもそっくりで・・・
たまに雅治が私の変装した時なんて家族ですらも見分けるのが一種の賭け状態。
最も、身長は雅治の方が高いのだけど。
「明日?」
「そう、氷帝との練習試合じゃ」
「・・・・・・」
「・・・・・・もしかして聞いてなか?」
「跡部の奴・・・・」
「場所は氷帝じゃ」
「そうよね、当然」
氷帝のほうがテニスコート広いし。
設備も完璧だし。
「のお気に入りに逢うの楽しみじゃ」
「えぇー雅治に若見せるの嫌」
「日吉じゃろ?新人戦で赤也と戦っちょるの見たことあるぜよ」
「違うの、試合中じゃない可愛い若を見せたくないの」
「おはようございます、先輩」
「んーおはよ、若」
「今日は練習試合ですね」
「・・・そうね、やっぱり若も知ってたのね」
若が知らないはずない・・・か。
選手だし。
「はい、先輩は知らなかったんですか?」
「・・・跡部の奴・・・マネに連絡無しとはどういうつもりなのかしら?」
「・・・話したら来ないでしょう?」
「あら、ちゃんと来るに決まってるじゃなし。若のカッコいい姿見れるいい機会だし」
最も、若の試合もいつでも見れるといえば見れるけど。
でも・・・折角の練習試合だし。
「・・・・・・」
「もちろん、私の若はいつもカッコいいけどねv」
「なっ///」
「ふふっ赤くなっちゃって可愛いv」
そう、こんな風に赤くなっちゃうのが可愛いのよね。
雅治には絶対に見せたくない!!
「・・・下剋上だ」
「私に?」
「はい、先輩に下剋上です」
「うーん、まぁ頑張れ」
「若ー」
テニスコートに面している教室の窓から手を振る・・・先輩。
サボってるとまた、跡部部長に怒られますよ・・・
まぁ、跡部部長よりも先輩のほうが強いけど、いろんな意味で。
「先輩、いいんですか?サボってて」
「いいのいいのー」
先輩に近づいて、・・・突然押し寄せる違和感。
本当に微妙なことだけど違和感を感じる。
「・・・・・・どーしたの、若?」
「・・・あなたは、誰ですか?」
「え?」
多分、この人は・・・先輩じゃないと思う。
顔も、表情も本当にそっくりだけど・・・違う。
「雅治ー!!やっと見つけた!」
「あ、見つかった」
「・・・先輩?」
「ん?若ー。どうしたの?」
・・・・・・本物だ、とわかる。
今、教室に入って来たのが本当の先輩。
で、先輩の言葉からわかるように今、目の前にいるのは・・・立海の仁王さん。
「って言うか、雅治!人のジャージとらないの!!」
「立海ジャージ似合っとるよ」
「全く・・・とりあえず、ジャージ返して」
「はいはい」
「でも、よかったのぉー」
「え?なにが?」
「日吉、俺の変装気付いたぜよ」
「え、マジ?」
「マジ」
「若すごいー。雅治の変装、家族でも微妙に間違えるのに」
「全然違うと思いますよ」
「「・・・・・・」」
「俺は戻るぜよ、そろそろ試合じゃし」
「雅治も試合頑張れー」
仁王さんが出て行って、また先輩の顔が俺のほうを向く。
その笑顔はとても嬉しそうで、穏やかで・・・
「でも、若が私と雅治・・・ちゃんと違うってわかってくれて嬉しかったよ」
「・・・・・・俺は、先輩のことがすごく好きですから・・・当然です」
多分、家族の方々は毎日のように顔をあわせているから間違うのかもしれない。
先輩のことも、仁王さんのこともすごく、ご家族は愛しているだろうから・・・
だけど、俺が見ているのは先輩だけ。
だから・・・気付くのかもしれない、先輩と仁王さんの違いを・・・
「ありがと、若。私も若のことすごく好きよ」
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蝶椿鬼柘榴様からのリクエストで・・・仁王の双子ちゃんで・・・日吉夢。
どうしても、双子ちゃんとのことだったので雅治さんが登場させたくて・・・!!!
・・・日吉夢です、多分。(汗)
でも・・・双子ちゃんだけど仁王ちゃん語じゃありません。(笑)
難しいですねぇ・・・双子ちゃん。
でも、書いていてすごく楽しかったです。
柘榴様、リクエストありがとうございました!!
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