* 過ぎ行く時間の流れを止めたいなんて幾度となく願ったことか *
「宴を催すぞ!!」
なんて清盛が言い出した。
そういや平家って祭り好きな奴が多いよな・・・
俺も、も好きだけど。
「宴なんて、楽しみね」
「あぁ、そうだな」
案の定、も嬉しそうにしている。
やっぱり笑顔が似合うんだよな、コイツには。
「もちろん、には舞ってもらうぞ!」
「あらあら、私も舞わなくちゃいけないのね・・・」
「当然。清盛は白拍子好きなんだろ?」
「私は白拍子じゃないのに・・・」
「それでも、今この平家で一番の舞手は間違いなく、お前だろ?」
「そうなのかしら・・・?」
「そうなんだって」
多分、ほとんどの奴がが一番の舞手だと言うだろう。
俺を含めて、知盛も惟盛も経正も敦盛も。
「そうですよ、殿」
「経正」
「私もあなたの舞が一番だと思います」
でた。
俺の敵の一人、平経正。
「舞う際は是非、私の琵琶と合せていただけますか?」
「えぇ、もちろん」
「ありがとうございます」
「敦盛も笛を奏でてくれるのかしら?」
「・・・その、殿が宜しければ・・・」
敦盛も・・・敵なんだよな。
にカナリ懐いてるし。
「私、敦盛の笛とっても好きよ」
「あ、ありがとうございます///」
にっこりと笑いかける。
ったく・・・怖い女だよなぁ・・・
こういう行為を無意識でやってるんだからさ。
「怖い女」
「どういう意味よ」
「そのまんまの意味だって」
「確かにお前は怖い女だぜ・・・」
「知盛まで・・・」
いつの間に現れたんだよ、知盛・・・
はぁ・・・また一人増えた。
この舞姫に惑わされた男が・・・
「いっそのこと剣でも持って舞うか?」
「剣舞?それは楽しそうね」
「やめろ!!」
「将臣?」
「剣舞は危ない、危なすぎる!!」
怪我でもしたらどうするんだよ・・・!!
剣舞だぞ、剣舞!剣を使うんだぞ!
絶対に怪我をする!!
「ククッ・・・美しい舞が拝めると思ったんだがな・・・」
「皆さん、宴の準備を手伝っていただかねば困ります」
「惟盛・・・」
結局全員集合かよ・・・
「今回の宴の主催は清盛だろ?別に俺たちが手伝う必要は・・・」
「そうよね、ちゃんとお手伝いしなくちゃいけないわよね」
「殿は休んでいてくださって構いません」
「あら、どうして?」
「今回の宴の主役は殿の舞ですから」
「いつの間にそんなお話になったのかしら・・・」
「そんなのお前が舞うって決まった時からだろ」
どうせ、平家の人間はみんな溺愛で・・・
みんながみんなの舞が好きだからなぁ。
もちろん舞だけじゃない、自身のこともみんなが気に入っている。
「私の舞なんてすごいものでもないのに・・・」
「そんなことはない、殿の舞は・・・その、素晴らしいと思います」
「敦盛の言うとおりですよ、殿」
「お前の舞は俺が今までに見てきた中で一番美しいさ・・・」
「えぇ、私もそう思います」
「俺も同感だな」
「そんな風に言ってもらっちゃったら・・・舞わないわけにはいかないわね」
過ぎ行く時間の流れを止めたいなんて幾度となく願ったことか
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沙羅様へのキリリク創作です。
平家逆ハーとのことだったので・・・重盛(将臣)・知盛・敦盛・経正・惟盛と・・・
とりあえず、平さん大集合です。
場面設定は敦盛もいるので聖獣の巫女で言う守るべきものあたりのお話ですかねぇ・・・
しかし・・・なんか微妙な終わりとなってしまいました・・・
今回は平等愛で・・・(完璧に平等愛ではありませんが・・・)
沙羅さん、リクエストありがとうございましたvv
お題配布:sham tears −空涙−様
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