* その言葉が好きなんじゃなくて、貴方がその言葉を紡ぎ出すのが好きなの *










「全く・・・ゆっくりさせてくれるのではなかったの?」


「舞姫様に退屈な時間を過ごさせるわけにはいかないからね」



提案は簡単なこと。

宴を催すことを・・・

この舞姫のためと、次は戦場で逢うことになるかもしれない妹姫一行のための。



「まぁいいわ、宴は好きなの」


「当然、お前には舞ってもらうよ舞姫様」



宴なんてそんなのは建前。

俺が観たいのはただ一人、この舞姫の舞だけ。



「あら?熊野にも素晴らしい舞手はいっぱいいるのではないの?別当さん」


「お前より素晴らしい舞手などいないよ」



それは真実。

確かに素晴らしい舞手など星の数ほどいる。

でも・・・・・・俺を感嘆させた舞手は一人しかいない。

聖獣の巫女姫様の舞じゃないと・・・ね。



「ふふ、本当にお上手ね」


「俺は本当のことを言ったまでだよ」


「でも・・・もっと素晴らしい舞手がいると思うわよ」


「へぇ・・・それは誰なのかな?」


「望美と朔よ、龍神の神子たちの舞なんて素敵そうじゃない?」


「あぁ・・・確かにそうかもしれないね」



最も、俺はの舞に惚れ込んでしまっているから・・・

いくら望美や朔ちゃんの舞が素晴らしくとも簡単には靡かないよ。



「だから、二人にもお願いしましょう?」


「二人が舞うなら姫も舞ってくれるのかい?」


「えぇ、いいわよ」


「交渉成立だね」




















「・・・・・・な、なんか人が多いよ!!」


「・・・本当ね」


「熊野水軍の皆さん総出かしら?」



なんてお姉ちゃんは呑気なこと言ってる。

朔もなんか落ち着いてるし・・・



「頑張ってね、望美、朔」


「え?!お姉ちゃんも一緒にじゃないの?」


「えぇ、違うみたいなのよ」


「神子姫様たち、準備は出来たかな?」


「ヒノエ」


「ヒノエくん!」


「さぁ舞姫、お前は俺と一緒にね」



なんて言いながらお姉ちゃんを連れて行ってしまう。



「とりあえず、舞台に出ましょうか」


「・・・朔、なんか楽しそう」


「ふふ、望美と二人で舞うなんてこと滅多に出来ないもの」


「・・・それもそうだね」





















「・・・どうして朱雀のお二人がお隣にいるのかしら?」


「とりあえず、俺はこの宴の主催者だからね。一番の主役の隣にいるのは当然だろ?」


さんとは積もる話もありますからね」


「あいつ等・・・!!」


「兄さん、落ち着けよ。大人気ない・・・」


「よりにもよってあいつ等だぞ!」


「舞姫、この砂糖菓子は絶品だよ」


「こちらの霰も美味しいですよ」


「お菓子よりも・・・龍神の神子様たちの舞のほうが素敵よ」



綺麗に舞う二人。

白龍と黒龍の神子・・・実は、敵なのよね。

でも、今だけは・・・少しの間だけはこの幸せに浸らせて。



「確かに素敵ですね、望美さんと朔殿の舞も・・・」


「でも、俺が一番好きなのは麗しの舞姫様の舞だよ。どんなに美しい舞を観てもね、それだけは変わらない」


「麗しの舞姫様?」


「そう・・・お前だよ、


「もう、お上手なんだから」


「ヒノエ、お二人の舞に集中しなさい、失礼でしょう?」


「・・・男の嫉妬は醜いものだよ、叔父上殿」


「言いますね、ヒノエ・・・」



何だか異様な空気になってしまっているようだけど・・・

気にしないことにしましょう。

だって目の前にはとっても素敵に舞っている神子たちがいるのだもの。




















その言葉が好きなんじゃなくて、貴方がその言葉を紡ぎ出すのが好きなの





















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姫乃麻都様からのリクエストで・・・

聖獣の巫女逆ハー・・・(朱雀、特にヒノエ贔屓)

すみません!ほとんどヒノエしか・・・登場していません。(汗

どうしてもヒノエはたくさんでてきます、勝手に動きます・・・っ

麻都さん、リクエスト、ありがとうございました。


お題配布:sham tears −空涙−
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