* 甘恋 *










姫、ちょっとおいで」


「ん?どうしたの?」



勝浦のお宿でのんびりしていたところでヒノエくんに声をかけられる。

望美ちゃんと朔ちゃんも市のほうを見に行っていてここにはいない。



「これをね、是非お前にと思ってね」



そういって差し出されるのはきれいな細工を施された和菓子。



「綺麗だろう?」


「うん、とっても綺麗・・・」


「まぁ・・・俺の姫の美しさには敵わないけどね」


「もう・・・ヒノエくんってば冗談を・・・」


「俺はいつでも本気だよ?」



どうしてこの人は・・・

こんなにもポンポンっと甘い言葉が出てくるのかな・・・?

やっぱり熊野の別当の血(弁慶さんと湛快さん)が影響しているのかもしれないわね。



「もう・・・」


、入るぞ」


「九郎さん、どうしました?」


「・・・柿、食べないか?」


「柿ですか?」



そういえば・・・

九郎さんのイベントで柿持ってきてくれたのあったなぁ・・・

最も、それは私の分身である望美ちゃんへのものだったけど。



「あぁ・・・」


「ありがとうございます」


「普通、姫君に柿はないんじゃない?」


「そ、そうか・・・すまない」



俯いてしまう九郎さん。

なんだか、その顔があまりにも悲しそうだったから・・・つい言葉を紡いでしまう。

最も、これも私が本当に思ったことだけど。



「柿、すごく美味しそうだよ」



「「・・・・・・」」



「・・・よかったじゃん、九郎。姫君のお気に召したようだね」


「・・・あぁ」


ちゃ〜ん!」


「あ、景時さん」


「あれ〜?九郎にヒノエくんもいたんだー」


「景時もに用があるのか?」


「まぁね〜」


「へぇ・・・景時も俺たちと同じようだね」


「え?」


「手に持っているものは姫君への贈り物だろう?」


「あはは・・・やっぱりヒノエくんは鋭いなぁ〜その通りだよ。はい、ちゃん」


「えっと・・・これは?」


「砂糖で作られたお花だよ」


「すごい・・・本物みたい・・・」


「うん、俺も見つけたときびっくりしちゃった。でね、絶対にちゃんに・・・って思ったんだ」


「ありがとうございます、景時さん」


「どう致しまして〜」


「おーい!いるかー?・・・ってなんか揃ってるな」


「将臣もなのか?」


「はぁ?」


「将臣くんもちゃんに贈り物?」


「あーそういうことか」


「で、どうなんだよ?」


「一応な」



どうやら将臣くんも何かくれるようです。

・・・今日って私のお誕生日でも何でもないのだけど・・・



「ほら」


「・・・これってお酒よね?」


「お前結構いけるだろ?」


「一応ね」


「果実酒だってさ」


「甘いのかな?」


「多分な」


「ありがとうね」


「・・・殿、失礼します」


「あら?敦盛くん」


「・・・・・・その、これをあなたにと・・・」


「・・・飴?」



敦盛くんから差し出されるのは色とりどりの飴が入った小さな籠。



「はい・・・色とりどりで綺麗だったから殿にと思って・・・」


「ありがとう、敦盛くん」


「へぇー・・・敦盛がねぇ・・・」


「なかなかやるじゃん、敦盛」


「・・・・・・」


さん、いらっしゃいますか?」


「はーい、いますよ」



この声は・・・弁慶さんね。



「ちょっと失礼しますね」


「失礼する」



・・・・・・意外な組み合わせ・・・

弁慶さんとリズ先生なんて・・・滅多にない組み合わせ!!



「ちょうどさんのお部屋にお邪魔しようとしたところでリズ先生にお逢いしましてね」


「弁慶さんとリズ先生は何の御用ですか?」


「これをさんにと思いましてね」


「私からも、これをに」



弁慶さんから手渡されたのは花を思わせる様なラムネ菓子(多分)。

リズ先生の手には桜餅のようなもの。



「ありがとうございます、弁慶さん、リズ先生」



しかし・・・今日は何の日なのかしら?

実は何かの記念日?

そうでなくてはこんなに贈り物をもらう謂れがない。



さーん!」


「譲くん、そんなに急いでどうしたの?」


「これ、どうぞ!」


「・・・プリン?」


「はい、調理場をお借りして作ってみたんです」


「うわぁ・・・美味しそう」



さすが譲くん。

この世界でプリンを作っちゃうなんて・・・本当にさすが!!



「でも・・・どうしてみんな私にいろいろくれるの?」



「「「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」」」



どうしてみんなが甘いものをくれるのかわからない。

気になったことはやっぱり・・・当人たちに聞いてみるのが一番よね?



「それはきっと・・・みんなさんにお礼がしたいからでしょう」


「お礼?」


「うむ」


「どうしてですか?」



お礼をしなくちゃいけないのは寧ろ私のほうかもしれないのに・・・

この世界で、みんながみんな優しくしてくれて・・・

心配かけさせたりいろいろしてしまっている。

そんな私にどうしてお礼・・・?



「みんな姫君には感謝をしてるんだよ」


「え?」


「お前は俺たちを何度も助けてくれているからな」


「そうだよ〜ちゃんのお陰でいい風に進んでいるしね」


「俺もさんには本当に助けられています」


「俺もいろんな面で世話になってるしな」


殿は皆の心を穏やかなものにしていると思う・・・」



みんなの口から紡がれるのは優しい言葉。



「ありがとう」



その優しさがうれしくて・・・

紡ぐのはお礼の言葉。



「じゃあ・・・折角ですし、みんなで頂きましょう?」



そのあと朔ちゃんと望美ちゃんと白龍も戻ってきて・・・

机に並べられる甘いものの数々。

それをみんなで楽しく頂きました。

ちょっとだけ息抜きの時間も必要・・・なのよね。




















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鈴華様からのリクで・・・

応龍の神子で逆ハーです。

逆ハーといってもかなり贔屓度合いがあるような気がする・・・

特に最初の方の人しか話がない・・・(汗

そして、無駄に長い・・・

甘いものをいっぱい考えるのは楽しかったですが・・・敦盛くんあたりでネタ切れでした。(汗)

鈴華さん、リクありがとうございましたーv
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