* 人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は *











「いったーい!!」



私、落ちたよ!

なんか、いきなり、落ちたっぽいよ!!!



「っていうか、ここどこー?!」



何か、見渡す限り・・・・・・雪、雪、雪。

すごい、雪積もってるよ!!

ってことは・・・東北とかそういう所?



「東北といえばやっぱり奥州藤原氏!平泉だよねー」



そういえば、マンションは?!ビルは?!

っていうか・・・道路は!?

呑気に平泉ーとか考えてたけど、道路とかないのはおかしすぎる!!

車も通ってないし・・・




「誰かいるのですか?」


「え?」



・・・・・・。

私は見てない、何も見てない。

うん、きっと何かの間違い。

銀色の髪の男(多分記憶喪失)なんて見てない!!



「あぁ・・・可愛らしい姫君が天から舞い降りてきたのですね」



・・・・・・。

何か甘い台詞が聞こえるのも気のせいだよね?



「姫君は雪の精なのでしょうか?」



・・・・・・。

気のせい、気のせい・・・

あっ夢オチとか?!

うん、きっとそうな気がする!!!



「どうぞ、お手を・・・」


「え?」


「雪に佇む姿も大変お美しいのですが・・・体を冷やしてしまいますといけませんので」


「はぁ・・・・・・」



手を差し出されたらとるしかない。

あっ・・・・・・さ・わ・れ・る!!

触った間が非常にアルよ!!

ってことは・・・夢じゃない?

これは、現実・・・?



「うそぉー・・・・・・」



私、本当に触ってる?!

夢なんかじゃなくて、現実に?!

っていうか、ここは・・・遙か3・・・銀がいるから十六夜記の世界!?



「如何なさいましたか?」


「え、あ、・・・うん、手を貸してくれてありがとう」


「いえ、礼には及びません」



本物、なんだよね。

本当の本当に銀なんだよね?



「お可愛らしい姫君の御手に触れられましたから・・・」


「か、可愛らしい?!」


「はい」



・・・・・・この人、やっぱり凄い。

平然と言えちゃうんだ、こんな台詞。

ゲームでは何回も、何十回も聞いてきたけど・・・

こうやって目の前で・・・

しかも、本当に私に向けて言われると・・・

恥ずかしさ倍増です。



「姫君、ひとつお聞きしても宜しいでしょうか?」


「う、うん・・・何?」


「あなたは、何故・・・この地に舞い降りたのですか?」



私が何故、ここに来たかって・・・?

突然、落ちて・・・じゃ通じないような気がするし・・・

なんて言うか・・・説明が難しい。

だから、言いたいことを言うことにしよう。



「私はね、あなたの逢いに来たんだよ。・・・銀」



どうして、私がここにいるかなんて・・・全くわからない。

でもね、きっと、きっとそうなんだよ。

私は、銀に逢うために来た。

この世界に・・・・・・



「私に逢いに・・・ですか」


「そう、あなたに逢いに来たの」



私は、ゲームの公式主人公じゃない。

だから、銀の運命を変える方法なんて知らない。

それでも・・・・・・倖せにしてみせる!



「絶対に倖せにしてあげるからね!」


「倖せ、ですか?」


「そう!だから・・・銀も私を倖せにしてよね!」




















人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は




















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海蓮様からのリクエストで・・・トリップ主人公さんで銀夢。

連載の主人公さんではなくまた、新たなオリジナルの主人公さん。

なんていうか、出逢い編っぽくなってしまいました・・・・・・続きませんが。(汗)

リクに適っていなかったらすみません・・・

海蓮さん、リクエストありがとうございました!
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