* 好きよりも *










無限城の一室。

十兵衛の部屋にて繰り返される会話。

会話と言うよりは、質問なのだが・・・



「十兵衛は花月さんのこと好きよね」


「好き、と言うよりはむしろ・・・」


「主従関係、でしょ?」


「・・・・・・」



に先に言われ、口ごもる十兵衛。

十兵衛には見えていないが、の顔は楽しそうだ。



「わかってるの」


「では俺も聞こう、お前は花月が好きか?」


「うん、大切なお友達だもん」


「俺の花月に対する”好き”とが花月に対する”好き”は同じだと思うが」


「それは違うと思う」



即答するに少しの動揺を見せる十兵衛。

動揺というよりはむしろ疑問に近いのかもしれない。



「なぜ、そう思う?」


「・・・・・・」



なぜ、と聞かれて返す言葉が見つからない

しかしやはり違うと思う。



「どうしてかはわからないけど、やっぱり違うと思うの。」


「そうか・・・」


「じゃあ次ね、十兵衛は朔羅さんのこと好きよね」


「次は姉者か・・・」


「好きよね?」


「姉弟だからな」


「・・・そうだよね」


も姉者のことを好きだろう?」


「うん、朔羅さん、お姉さんみたいで尊敬してる」


「それなら、俺と一緒だろう」


「そうだね・・・じゃあマクベスは?」


「マクベスか・・・よくやっていると思う」


「うん、頑張ってるもんね、マクベス」


「弟みたいなものだな」


「あっわかるそれ、私もそんな感じ」


「・・・・・・」


「・・・・・・」



沈黙が続く。

その沈黙を破ったのは十兵衛だった。



「・・・が俺に聞きたい本当のことは何なんだ?」


「え・・・?」


「聞きたいことがあるのだろう?」


「・・・どうしてわかったの?」


「見ていればわかる」


「そっかーやっぱり十兵衛にはバレバレなのね」


「当たり前だろう」


「じゃあ聞くね、私は?」


「・・・どういう意味だ?」


「私のことは好き?」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・ごめん、やっぱり今のなしにして」


「・・・断る」


「・・・・・・」


「・・・好きだ」


「・・・どれくらい?」


「・・・・・・」


「マクベスよりは?」


「好きだ」


「朔羅さんよりは?」


「好きだ」


「花月さんよりは?」


「・・・好きだ」


「変な質問してごめんね」


「いや、気にするな」


「ありがとう」





「十兵衛?」


「俺はお前を・・・愛している」


「・・・十兵衛・・・///」



好き、よりも・・・

愛してるのほうが嬉しい。





















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月翳透様との相互記念創作です。

十兵衛は初の試みでした!

透さん、相互ありがとうございます!!
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