* すごく好き *










暖かい初夏の昼下がり。

いわゆるお昼寝にはもってこいの季節である。



「お前はそんなに俺に苛めてもらいたいの?」


「なっ・・・!!」



今の状況は後ろは壁、前には梓馬先輩。

つまり・・・逃げれない。



「普通、男の前で無防備に寝るか?」


「・・・だって眠かったんだもん」


「・・・・・・」


「梓馬先輩もあるでしょ、眠くなること」


「少なくとも校内ではないな」


「・・・仕方ないんです」


「理由でもあるのか?」


「あります」


「ふーん・・・それは俺が納得できるようなないようなわけ?」


「うーん・・・わかりません」


「まぁいい、言ってみろよ」


「えっと・・・これです」


「・・・何かな?」


「・・・見てわかりませんか?」


「クッキーに見えるな」


「良かった・・・見えるんだぁ・・・」


「俺のために作ったの?」


「はいっそれも徹夜ですよ!!」


「どうして突然」


「・・・先輩が、昨日音楽科の一年生の女の子にクッキーもらってたのを見たから・・・」



すごく嬉しそうだったんだもん。

白柚木様の微笑だったけど・・・



「先輩が嬉しそうだったから」


「へぇ・・・可愛いね、


「はっ?!」


「可愛いな、本当に」


「な、なっ!!」


「普通、徹夜までして作らないだろう?」


「・・・作りますよ、先輩が喜んでくれるなら」


「残念だけど、俺は喜ばない」


「・・・そうですか・・・」



・・・作ってそんなしちゃったなぁ・・・

梓馬先輩が意地悪なこと忘れてた。



「でも、今回だけは喜んでやるよ」


「ふぇ?」


「俺のために作ったんだろ?」


「・・・はい」


「だからもらってやるよ」


「・・・もらってください」


「ありがとう」



あっ・・・この笑顔好きかも・・・

意地悪な微笑だけど、ちょっと顔が赤い・・・

もしかして、すごく喜んでくれてる?



「先輩、嬉しい?」


「・・・どうだろうな?」


「・・・素直な先輩がいいです」


「素直な、ね・・・」



・・・キスされる。

飴よりも甘い、甘いキス・・・



「素直だろ?」


「・・・どこがですか!!」


「嬉しいということを表現してやったんだぜ」


「・・・っ///」


「お気に召しませんでしたか、お姫様?」


「・・・やっぱりいつもの先輩のほうがいい・・・」



”お姫様”だなんて・・・反則!!



「ならこれからもいつも通りお前を苛めてやるよ」


「・・・それも嫌」


「わがままだな」


「いいもん、先輩が優しいってことちゃんと知ってるもん」


「・・・優しい、か」



二度目のキス。

さっきよりもさらに甘いキス・・・



「・・・前言撤回します!」


「そんなこと言ってるとどうなるかわかってるよね、?」


「・・・・・・っ」










意地悪でも・・・

そんなあなたが、すごく好きです。





















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キリ番を踏んで下さいました、莉花様に捧げます。

黒柚木サマに苛められる(可愛がられる)・・・

・・・どうなんでしょう・・・(汗)

すみません、こんなお話で・・・

莉花さん、リクエストありがとうございました!!
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