* 覚醒 *
「俺に看病させるとはいい度胸だね?」
「先輩・・・」
瞳に熱のせいだろう、涙を溜めている。
「ごめん・・・なさい・・・っ」
ぽろぽろと涙を流しながら俺に謝る。
「・・・いいよ、他ならぬの看病だからね」
「先輩っ!」
ベットから体を起こし俺に抱きついてくる。
突然のことでに押し倒された状態だ。
「先輩・・・」
熱のせいで頬が赤い。
「私のこと、好き?」
「突然だな」
「ねぇ・・・好き?」
「どうだろうな」
「・・・好きじゃないの?」
「自分で考えてみれば?」
「じゃあ・・・キスしてもいい・・・?」
「はぁ?」
突然突拍子もないことを言い出す。
普段の彼女からは考えられない言葉。
多分熱のせいだろう。
「キス・・・するの」
「妙に積極的だな」
「先輩」
「お前からするの?」
「うん」
即答で答える。
それはそれで楽しいかもしれない。
「仕方ないな、ご自由にどうぞ」
「じゃあ・・・んっ」
俺の上に乗りながら唇を重ねてくる。
お世辞にも巧いとは言えない口づけ。
「先輩・・・好き?」
唇が離れた途端の彼女の言葉。
「また同じ質問?」
「好き?」
「質問の答えよりもまず・・・この体勢をどうにかしないか?」
「嫌、このまま。先輩が答えてくれるまでずっとこのままだもん」
「・・・・・・」
「ねぇ先輩・・・っ」
「・・・・・・」
「答えてくれないなら・・・」
「どうするの?」
「・・・もう一回キスするもん」
「お前頭、大丈夫?」
「だいじょーぶだもん」
大丈夫じゃないな、絶対。
「先輩・・・キスっ」
「はいはい、ご自由にどうぞ」
「・・・スースー・・・」
顔を近づけたかと思うとそのまま耳元まで下がり寝息が聞こえる。
「本当に面白いヤツ・・・」
「ん・・・っ」
「ああ、やっと起きたみたいだね」
「&%$○×$!・・・!!!」
目の前の彼女は声にならない声をあげている。
「どうしたの?そんなに驚いて」
「ど、ど、どうして先輩が・・・?!」
「お前が俺を枕にして寝るからいけないんだよ」
「そんなことしていません!!」
「もしかして覚えてない?」
「・・・何をデスか・・・?」
「覚えてないならそれでもいいよ」
「気になります、今すぐ教えてくださいー!!」
「嫌」
「先輩ーっ」
「そうだな・・・積極的なお前も嫌いじゃないよ」
「・・・いったい私は何をしたのですか・・・?」
「ふふ、何をしたんだろうな?」
「先輩ー!!」
「それより、熱は下がったかな?」
「もう大丈夫そうです、多分」
「それはよかったよ」
「あの・・・私、先輩に迷惑は・・・」
「掛けたよ、たくさんね」
「・・・ごめんなさい・・・っ」
「気にしなくていい、珍しいものも見たから」
「珍しいものって・・・いったい私は何をしたんですか・・・っ」
「それは・・・」
「それは?」
「秘密」
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壬月哉様のリクにより書かせて頂きました。
リクエストしてくださいまして、ありがとうございます!
主人公に迫られる柚木様・・・
ごめんなさい。
迫られる=押し倒されるになってしまいました・・・
リクに適っていませんでしたらすみません!!
ちなみに、主人公ちゃんが柚木様から手を離さなかったから一緒に寝ちゃっていました。
そして先輩を枕にしています。
月哉さん、リクエストありがとうございました!
お題配布:なんでも100のお題様
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