* ごめんねのキス *
「先輩なんて・・・大嫌い!!」
「?」
「先輩なんて大嫌いです・・・!!」
「ちょっとちゃんどうしたのよ?!」
「天羽ちゃん〜〜」
「ほら、話聞いてあげるから泣きやんでっ」
「うん・・・」
「で、何があったの?」
「・・・梓馬先輩が音楽科の女の子と抱き合ってたの・・・」
「あの柚木さんが?!」
「うん・・・」
「見間違いじゃないの?」
「だって・・・この学院であのさらさらストレートは梓馬先輩しかいないもん」
「確かに・・・よし!じゃあ調べてきてあげるよ!!」
「えっ?」
「大切な親友が悲しんでるのに黙ってられないよ!」
「ありがとう、天羽ちゃん・・・でも、自分で聞いてみる」
「そっか・・・うん、それがいいと思うよ。頑張ってねちゃん♪」
「うん!行ってくる!!」
「・・・火原先輩、梓馬先輩はいませんか?」
「柚木?うーん・・・いないみたいだよ!何か用事?俺でよければ伝えてあげるよ!!」
「ありがとうございます・・・でも・・・」
「あっいいよ!俺無理に聞いたりしないから!!」
「ごめんなさい・・・」
「ううん、気にしないで!!柚木だよね、屋上にいるかもしれないよ!」
「ありがとうございます、火原先輩」
「・・・梓馬先輩・・・」
見つけた・・・
相変わらず優雅にベンチに座っている梓馬先輩・・・
「遅い」
「だって・・・」
「まぁいい」
「・・・・・・」
「座らないの?」
「・・・座ります」
「さて、お前はどうして泣いてるのかな?」
「泣いてません!!」
「じゃあこの涙の痕は何?」
「これは・・・」
「質問を変えよう。さっき『大嫌い』と言ってくれたよね?それはどうして?」
「それは・・・」
「それは?」
「・・・先輩が音楽科の女の子と抱き合ってたから・・・」
「誰かに見られた気がしたけど・・・まさかお前とはな。もちろん、彼女とは何でもないよ」
「でも・・・抱き合ってたもん」
「俺は抱き合ったつもりはないけどな。相手が勝手に抱きついてきたんだよ」
「・・・・・・」
「俺は本当に好きなヤツ意外と抱き合うつもりはないよ・・・――――-こんな風にな」
「なっ・・・///」
「わかった?」
「・・・はい、ごめんなさい」
「・・・罰を受けてもらおうかな」
「えっ?!」
「もう少しこのままでいろ」
「・・・はい」
「素直だな」
「だって・・・」
「苛めたくなるよ、本当に」
「え?・・・・ん!!!」
「何するんですか!!!」
「ごめんねのキス・・・だろ?」
「うぅ・・・」
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キリ番を踏んでくださいました、晴菜さんに捧げます。
シリアス甘・・・
すみません、やっぱりシリアスは苦手みたいです・・・(甘々も全然ダメですが・・・)
シリアスって・・・どういうものなのでしょう・・・?
切ない系?
ごめんねのキス・・・いいタイトルですよね〜・・・
晴菜さん、リクエストありがとうございました!!
お題配布:またあした。様
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