* ジェロザメンテ *
「なぁ、」
「なんですか?梓馬先輩」
「お前、本当に土浦と仲良いな」
「そりゃ、幼馴染ですし」
最近ちょっと喋る回数とか減ったけど。
でも、やっぱり割りと仲良しな自信はある。
「高校生もなって?」
「悪いですか?幼馴染と仲良しさんで」
「いや、別に。ただ・・・土浦はどう思ってるんだろうな?」
「どういう意味ですか?」
「そのままの意味だよ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「梓馬先輩がよくわかりません」
言ってること、意味わかんないです。
てか、何言いたいのかもわかりません。
「わからなくて結構」
「・・・・・・梓馬先輩なんて、嫌いです!!」
「・・・嫌い、か」
久しぶりに言われたな・・・
嫌い、なんて。
「別に、あんな顔させるつもりはなかったんだけど、な・・・」
泣きそうな顔。
泣くことを堪える顔。
別に、そんな顔させたかったわけじゃない。
・・・・・・ムカつくムカつくムカつく!!!
思いっきり拒否された気分。
・・・拒否って言うより寧ろ、拒絶。
「?」
「あっ梁ちゃん!聞いてよ!!梓馬先輩ってばね・・・!」
「・・・柚木先輩になんか言われたのか?」
「梁ちゃんと高校生にもなって仲良し過ぎるって言われた!!」
「はぁ?」
「梁ちゃんも意味わかんないよね!!」
梁ちゃんならきっと同意してくれる!
うん、幼馴染の勘!!
「いや、それってさ・・・柚木先輩が俺に嫉妬したんじゃないか?」
「え?それはない、ありえない。だって柚木様だよ」
あの柚木様が嫉妬とかまずありえない。
だって、あの柚木様だよ。
嫉妬するくらいならけちょんけちょんにしてくるタイプだよ、きっと!!
てか、嫉妬なんて認めないタイプだよ!
「・・・あの人も意外に人間らしかったんだな」
「え?」
「とにかく、ちゃんと柚木先輩と逢って話してこいよ、な?」
「え、ヤダ」
なんか拒絶されたし。
絶対、あの柚木様スマイルで対応してくるだろうし。
柚木様スマイル嫌いだし!
「嫌ってなぁー・・・このままでいいなんて思ってないくせに」
「・・・・・・」
「あ、柚木先輩」
「え?」
「こんにちは。土浦くん、さん」
「・・・・・・」
「こんにちは、柚木先輩。じゃあコイツ置いていくんで」
「あっちょっと梁ちゃん?!」
逃げられた!!!
てか、置いて行くなんて酷い!!!
すっごい気まずいんですけど!!!!
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「さんって本当に土浦くんと仲がいいんだね」
・・・・・・ムカつく。
さんとか呼んできたし。
あの、超作り笑いな笑顔向けてくるし。
ムカつく、ムカつく、ムカつく。
「梓馬先輩」
「・・・・・・何?」
「ちょっと聞きたいことがあるんですけど」
「・・・ここでは話せないようなこと?」
「さぁ、私は別にここでも構いませんけど?梓馬先輩のお好きにどーぞ」
「そう。・・・じゃあ、練習室にでも行こうか」
「はーい」
絶対負けない。
負けたらなんかムカつくし。
とりあえず、あの作り笑顔をまず崩してやる・・・!!
「で、聞きたいことって何かな?さん」
「その口調、嫌です。私は、ちゃんと素の梓馬先輩と話したいんです」
絶対負けない。
なんか、ここで折れたら負けのような気がするし・・・!
「・・・・・・」
「まぁいいや。聞きたいこと聞きます・・・梓馬先輩、梁ちゃんにヤキモチってマジですか?」
「なッ・・・」
・・・・・・ッ!!!!!
梓馬先輩が、ビックリした顔した・・・!!!
こっちがビックリするんですけど!!
「・・・そんなこと、あるはずないだろ」
あ、いつもの梓馬先輩に戻った。
しかも、しっかり私の・・・好きな梓馬先輩に戻った。
とりあえず、勝ったような気がする!!!
「ですよねぇー」
「・・・・・・」
「梓馬先輩?」
「・・・お前さ・・・ついさっき、俺のこと嫌いって言ったよな?」
「あーはい。しっかり言いましたね」
「俺、結構傷ついたんだけど」
「あーそうなんですか・・・って、えぇ?!梓馬先輩が?!」
「・・・悪い?」
「いや、悪くはないと思うんですけど・・・」
「何か言いたいことでも?」
「なんていうか・・・ちょっとヤキモチ妬いてくれちゃった説がありえるかもって」
「それはないって言ってるだろ」
「いいじゃないですか、たまには」
「その台詞・・・そっくりそのまま返してやりたいね」
「え?」
「お前だってヤキモチなんて妬かないだろ?」
「えぇー適度に妬いてるはずなんですけど」
「ふーん・・・例えば誰に?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・あ、じゃあフルートに」
「はぁ?」
「今日はそれで見逃してくださいーほら、もう6時ですし!」
「・・・仕方ないね。あぁ・・・そうだ、」
「なんですかー?」
「あんまり土浦と仲が良いこと見せ付けるなよ」
「え?」
「お前が聞きたがってたことの返事。ほら、帰るよ」
「え、あっはーい!」
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皇七季サマからのリクで・・・純愛遊戯、柚木ヒロインで柚木さんヤキモチ!
・・・とのことですが・・・柚木さんがなかなかヤキモチ妬いてくれません(涙)。
ヤキモチ妬かせようとしたら・・・見事、喧嘩勃発。
リクに適ってなくて本当に申し訳ないです・・・
書いてて今更気付いたんですけど・・・うちの柚木ヒロインさんって強気に短気でした。
ちなみにタイトルのジェロザメンテ・・・はイタリア語で嫉妬です。
す、すみません!!安易なタイトルで・・・!!!
でも、すごいんですよー。
ジェロザメンテって嫉妬のほかにも大切に、大事にって意味もあるみたいです。
嫉妬って奥が深いですね!
七季さん、リクエストありがとうございました!!
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