* 桜の下で *
週に3回しか学院では逢えない・・・
その間にも、想いは募るばかりで・・・
この気持ち、貴方に伝わりますか?
「さん」
「あ・・・王崎先輩」
「今日も練習?」
「はい!」
「もしよかったら、俺に聴かせてくれないかな?」
「良いんですか?」
「もちろん、俺、君のヴァイオリン聴くの大好きなんだよ」
「・・・じゃあ・・・聴いてください」
弦を通して鳴り響くのはヴァイオリンの音色。
流れる曲は、「シチリアーノ」。
「・・・うん、俺やっぱり、ちゃんのその曲の解釈が好きだよ」
「・・・ちゃん?」
「あ・・・ご、ごめんね」
「いいえ!あの・・・すごく嬉しいです・・・」
「じゃあこれからはちゃんって呼ばせてもらうね」
「はい!・・・信武先輩?」
「・・・なんか恥ずかしいな・・・」
「ダメですか?」
「ダメじゃないよ、俺もね、君にそう呼んでもらえると嬉しいから・・・」
「あ、あの!!・・・今度の土曜日・・・逢えませんか?」
「え?」
「ご、ごめんなさい・・・///」
「いいの?」
「・・・え?」
「俺も、ちゃんに逢いたいな、休みの日でも」
「じゃあ・・・!」
「どこか遠くに行こうか、折角だし」
「良いんですか?」
「君がよければね」
「行きたいです」
「決まりだね、どこに行こうか?」
「・・・まだ、桜綺麗ですよね?」
「それなら、お勧めの場所があるよ、そこに行ってみる?」
「はい!」
「じゃあ土曜日に、交差点のところでね」
「・・・!!!」
「綺麗だよね、桜」
「はい・・・八重桜ですよね」
「桜の下での演奏も、素敵かもしれないね」
「そうですね・・・」
「一曲聴いてもらえる?」
「はいっ!」
信武先輩が奏でる音。
「愛の挨拶」。
奇跡の・・・旋律。
「・・・綺麗・・・」
「ありがとう」
「愛の挨拶・・・ですよね?」
「そう、君に聴いてもらいたかったんだ。・・・俺の気持ち・・・」
「え?!」
「・・・ちゃんも一曲聴かせてもらえないかな?」
「はい、喜んで」
私が奏でる音。
信武先輩が弾いてくれた「愛の挨拶」。
私の気持ち・・・
「・・・」
「どうでしたか?」
「・・・それが返事なのかな?」
「・・・はいっ///」
「嬉しいよ、すごく」
「愛の挨拶、今度は一緒に奏でてくれますか?」
「もちろん、きっとみんなが喜んでくれる演奏が出来るよ、君と2人なら・・・」
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キリ番を踏んでくださいました、たま様に捧げます。
王崎先輩の甘め・・・ほのぼの・・・
初めての王崎先輩です。
すみません、やっぱり王崎先輩・・・よくわからないです。
こんなお話ですみません!!
たまさん、リクエストありがとうございます!
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