* 白い翼 *










「紘人先生v」



いつもの笑顔で俺に笑いかけてくるコイツ。

コンクールで奇跡的に優勝しちまいやがった



「ひーろーとーせーんーせーい!」


「・・・どうした?」


「どうした?じゃありませんよ!」



ぷぅーと頬を膨らまして俺を睨み付けてくる。

おいおい、その顔犯罪的だぞ・・・



「今日こそは、一緒にお昼ご飯食べましょうよ!!」


「あのなー・・・」


「紘人先生・・・迷惑?」



上目遣いで見るなよ。

・・・俺の理性のことも考えろよ・・・



「・・・先生?」


「ダメだ」


「むぅー・・・どうしてですか?」


「・・・いや、拙いだろ」


「不味い?今日は自信あったのに・・・」


「はぁ?」


「食べてもないのに不味いなんて・・・ひどいです・・・」



・・・コイツ勘違いしてねぇか?

頭の中で漢字の変換絶対間違ってるし・・・



「お、おい!」


「・・・ふぇっ・・・紘人先生、バカ・・・」


「泣くなよ・・・」



泣かせたのは俺か・・・?

泣き顔も・・・って何考えてるんだよ、俺!

しっかりしろ、金澤紘人!!

相手は生徒だぞ。



「・・・紘人先生・・・バカ」


「あのなー」



勘違いしてるのはお前さんなんだぞー。

・・・ったく・・・仕方ねーなー。



「ほら、ちゃん、あーんしてみな」


「ふぇ?」



拍子抜けしたような顔してやがるし。

コイツのどの顔見ても“可愛い”と思うなんて・・・重症だな、俺も。



「俺が直々に食わせてやるんだぞーしかも俺特製、ありがたく思えよー」


「えっ?!えぇ?!」


「折角ちゃんのために作ったんだけどなー」


「私のため?・・・どうして?」



・・・言えるわけないよな・・・

コイツと俺じゃ教師と生徒の檻からは逃れられない。

少なくとも、今はまだ。



「紘人先生?」


「そうだな、お前さんの喜ぶ顔が見たかった・・・って言うのはどうだ?」


「・・・///からかわないでください」


「ははっ可愛いなー」


「ご飯食べましょ、ご飯!」


「おーならソレよこせ」



コイツが抱きかかえてる袋を指差す。



「え?!」


「作ってきたんだろ、俺に」


「でも・・・先生不味いって・・・」


「お前さん“拙い”ってこっちの“不味い”を想像してるだろ」


「違うの?」


「俺が言ってる“拙い”はこっちの“拙い”」



その辺にあった紙に漢字を書いてやる。



「・・・でも、どうして拙いの?」


「それはだなー・・・」



興味深々って顔でみてくる。

どうするよ、俺の理性・・・



「それは?それは?」


「あー・・・耳貸してみな」


「耳?」


「そう、耳」


「はぁーい」



素直に耳を傾けてくる。

さて、どうするか。

言ってしまうか、それも・・・悪くない。



「               」


「・・・!!!!」


「鯉みたいだな、お前さん」



顔を真っ赤にして口をパクパク言わせてる。

・・・本当に、可愛いよなー・・・



「・・・先生、耳貸して」


「おー」


「               」


「お前さんなー」


「お互い様だもん」



真っ赤になって俯いてる、そんなを見ていたら・・・

気が付けば顎を持ち上げ唇を奪っていた。


俺の負け。

全てはコイツのせい。



「先生!!///」


が俺の理性を壊すから、ついな」


「ついなって!!!(怒)」


「怒るな怒るな」


「先生はつい、でキスするんですか!!」


「いやーははっ俺もまだまだだなー」


「笑い事じゃないですよ!!」


「可愛い顔してるお前さんが悪い」


「意味わかんないです!!」










檻から抜け出すための白い翼。

新しい世界へと羽ばたく白い翼。

一緒に、見つけたい。

あなたと一緒に・・・











紡がれた歌は・・・


― 俺の理性が保たなくなる、わかるだろ? ―



返歌は・・・


― 好き、すごく好き、大好き! ―





















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文月深裕様との相互記念創作。

紘人センセ夢ですー。

深裕さん、相互ありがとうございます!
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