* 口癖 *
「先生ーいますかー?」
「おー入れ入れ」
待ち合わせ場所は練習室。
音楽教諭室じゃないのがちょっと珍しい。
「先生ー今日はどうして練習室なんですか?」
「たまには気分を変えて・・・って言うのも悪くないだろ?」
あっなるほど。
飽きちゃうもんねぇ・・・まぁ私は紘人さんと一緒ってことは飽きないけど。
・・・・・・紘人さんはどうなのかな・・・?
「・・・どうした?練習室は嫌だったか?嫌なら屋上にでも行くか?」
「ううん、ただ・・・紘人さん、私に飽きちゃったのかなぁーって思って」
なんか、自分で言ってて哀しくなってきた・・・
もし、もしも・・・紘人さんが飽きたって言ったら私はどうすれば良いんだろう?
すごく、すごく紘人さんのこと好きなのに・・・
「・・・・・・馬鹿だなぁーお前さん」
なんて言いながらコツンって頭を殴られる。
殴られるなんて表現はおかしいかもしれない、だって紘人さんのコツンはすごく優しいものだから。
「馬鹿じゃないもん」
「ははっ・・・俺のほうが心配なんだよ」
「え?」
「お前さんに飽きられるんじゃないかってな」
「私は紘人さんに飽きたりしない!」
「・・・・・・そっか・・・」
なんか紘人さん、すごく安心したって顔してる。
・・・私たち、同じ気持ちだったんだよね。
「紘人さーん」
だから、思いっきり紘人さんに抱きついてみる。
ここは練習室。
誰かが来る心配もない・・・
二人だけの空間。
「甘えん坊だなーちゃんは」
「だってー紘人さんのこと、すごくすごく大好きなんだもん」
わざとらしくちゃんなんて呼ぶ、口癖も・・・
笑った顔も、声も、全部全部大好き。
「ねぇ、紘人さんは?私のこと・・・好き?」
「大人をからかいなさんな」
「むぅー」
私の頭を撫でながら瞳は逸らしてしまう。
心なしか・・・顔が赤い?
紘人さん・・・照れてる?
わぁ・・・・・・!!
「・・・言葉が欲しいか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ここで我侭言っちゃっていいのかな。
紘人さんは私の我侭なんて全部受け止めてくれちゃうけど・・・
でも、ここは学校。
紘人さんと私は所謂、先生と生徒。
「・・・欲しい」
でも、やっぱり耐えられなくて・・・
つい、我侭な言葉を紡いでしまう。
「素直だなぁーお前さんは」
なんて紘人さんは笑って言うから・・・
また、ぎゅって抱きついてしまう。
「大好き、大好き、大好き」
私はやっぱりまだまだ子供。
でも・・・いきなり大人になろうとは思わない。
だって・・・紘人さんは待っててくれるから。
こうして、優しく抱きしめてくれるから・・・・・・
「好きだよ、」
耳元で囁かれるのは、愛の言葉。
私を幸せにしてくれる魔法の言葉。
私だけにくれる言葉、だよね?紘人さん?
口癖
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夏様からのリクエストで・・・
鈍感、無防備な香穂子ちゃん設定で紘人さん夢。
密会とか・・・
うわぁ・・・密会じゃない?
一応二人きりで、練習室なんてものにしてみましたが・・・密会じゃないような気がしてきました。(汗)
すみません、夏さん。
とりあえず、甘い雰囲気が出ていれば良いなぁ・・・
夏さん、リクエストありがとうございました。
お題配布:なんでも100のお題様
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