* 雨の降る日には *
「・・・雨降ってる?!」
傘持ってないよ・・・
天気予報の嘘つき〜〜〜!!!!
「あれ?ちゃん!!」
「和樹先輩〜」
「どうしたの?」
「雨が・・・」
「あ〜俺も困ってるところ」
「和樹先輩も傘持ってなかったりですか?」
「うん、天気予報で言ってなかったしね〜」
「私もです・・・」
「でも、ちゃん早く帰らなきゃいけないよね、危ないし」
「え?」
「ちゃん女の子だもん、あっ俺送ってあげるよ!」
「でも・・・」
「いいんだよ!俺がちゃんと帰りたいだけだし」
「ありがとうございます」
「でもどうしよっか、傘ないし・・・」
「そうですねぇ〜濡れて帰るしかないですね」
「ダメだよ!ちゃん女の子だもん、濡れたら大変だよ!!」
「大丈夫ですよ〜」
「絶対、ダメ!!」
「じゃあ・・・どうしましょう?」
「はいっこれ被って!」
頭にかけられたのは和樹先輩の上着。
「え?!」
「ちょっと濡れちゃうけどまだマシだよね!」
「でも、先輩の上着濡れちゃいます!!」
「いいの!ちゃんが濡れちゃうほうが俺は困るから!!」
「・・・ごめんなさい・・・」
「うーん・・・ごめんなさいより、いつもの笑顔でありがとうございますって言って欲しいな!」
にっこり、微笑んで言ってくれるあなたを見ていたら、私も自然と笑顔になって・・・
「・・・ありがとうございます!!」
「うん、やっぱりちゃんの笑顔、俺、大好きだよ!」
「・・・///」
「さっ行こう!」
「はい!」
「はい、手!」
「え?!」
「手、繋ごう!」
「でも・・・走りにくくなっちゃいますよ」
「大丈夫!」
「それに・・・」
「俺が引っ張ってあげたほうがちゃん走りやすいでしょ!」
「・・・・・・」
どうして・・・
どうして和樹先輩はこんなにも優しいんだろう・・・?
自惚れてもいいですか?
「・・・先輩、ありがとうございます」
「どういたしまして!!」
繋いだ手を離さないでいてくれて。
私のペースに合わせてくれて。
「ちゃん大丈夫?濡れてない?」
「はい、大丈夫です!」
「よかった〜!!」
「先輩は・・・すごく濡れちゃってますね・・・」
「俺なら大丈夫だよ!」
「ダメです、風邪ひいちゃいます!!」
和樹先輩の服を引っ張って、中に入ってもらう。
大丈夫だって言うけど、やっぱりダメ。
「・・・和樹先輩が風邪ひいちゃうの嫌です・・・」
「ちゃん・・・」
「だから・・・せめて・・・タオルと・・・温かい飲み物くらい用意させてください」
「でも、ほら、悪いしね」
「悪くないです!!私が濡れないですんだのは和樹先輩のお陰なんですから!!」
「・・・ゴメンネ」
「・・・ゴメンネじゃなくてありがとうって言ってください、いつもの笑顔で!」
「そうだね、ありがとう、ちゃん!」
ふかふかのタオルと・・・
温かい飲み物を用意しよう。
そして、お願いしてみよう。
雨が止むまで一緒にいて下さいって・・・
きっとあなたは優しいから、いつもの笑顔で・・・
私の大好きな笑顔で・・・応えてくれますよね?
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氷雨様からのリクの火原先輩です。
久しぶりに書きました、火原先輩・・・
・・・火原先輩じゃない・・・
火原先輩は、女の子をとにかく大切にしてくれる人だと思います。
氷雨さん、リクエストありがとうございました!!
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