* 夢の中ならもう一度やり直せたかもしれない *
「チャンも一緒に行く?」
迷う。
非常に迷う。
だって・・・獣人化した死体は見たくないって言うのが本音。
あれ、見てて気持ちいいものじゃないしなぁ・・・
「うーん・・・」
あ、鵠サンと目、合った。
うわぁー鵠サンが話しあるから残ってくださいって目、してるよ。
「ここでお茶飲んでる」
「そう?じゃあ帰る前に迎えに来てあげる」
「うん、待ってるね」
誠人クン・・・なんか勘付いてそうで怖いデス。
まぁいっか。
鵠サンのせいだし。
「行ってらっしゃーい」
「で、どうしたの?」
「裕也クンからの伝言です」
「え?裕也クン?」
「はい」
・・・裕也クン、別にここ通さなくても直接携帯にメールでもしてくれたらいいのに・・・
まぁ別にいいけど・・・
もし、ここに来なかったらどうするつもりだったんだろうね?
「いつもの公園で待っています、とのことですよ」
「えぇーまた厄介な事件が絡んでる?」
「さっき彼等に話した内容が関係しているでしょうね」
「うぅー・・・」
「ちゃんと行ってくださいね、私も商売ですから」
「はぁーい」
ここで鵠サンと喧嘩でもしちゃったらそれこそ大問題。
私の情報源が経たれることになりかねない!!!
それは困る、非常に困る。
裕也クンに逢いに行こう、うん、そうしよう。
「あぁ・・・そうだ。これどうぞ」
「・・・なぁに、これ?」
鵠サンに渡されたのはA4サイズの封筒。
中にはかなりの量の書類。
「この間頼まれていたものです」
「あっありがと。流石、お仕事早いね」
流石鵠サン。
この書類お願いしたの3日前だよ。
こんなに早いとは思わなかったなぁ・・・結構難しいのだったし。
うん、流石鵠サン。
「えぇ、常連さんのサンからの依頼でしたからね」
「お礼、後日でいい?」
「はい、また後日」
「ん、じゃあ・・・私行くね」
「お気をつけて」
「んー了解。」
鵠サンの気をつけて、の言葉にはどんな意味が込められているのでしょうか。
何か色んな意味で厄介な事件になってそうだなぁ・・・
とりあえず、この書類は裕也クンに任せよう。
夢の中ならもう一度やり直せたかもしれない
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