* お嬢さん、お茶でもいかが? *
「お邪魔しまーす」
「あぁ、いらっしゃい」
「この前はどーもでした」
「イイエ、常連さん失うわけには行きませんからね」
「私も便利屋サン失うわけには行きません」
相変わらず食えない人です、この人。
まぁ・・・簡単に食えちゃ楽しくないですけど。
「でもよく今まで彼と逢いませんでしたね、常連サンなのに」
「ねぇー運がよかったってことで」
「いつから彼の所に?」
「知ってるでしょー」
「・・・まぁ、情報も商品ですからね」
「あっクマちゃんありがとね」
「アレで大丈夫でしたか?」
「うん、バッチリ。お礼どうする?」
「そうですね・・・じゃあお茶でも如何ですか?」
「ここで?」
「はい、もちろん」
「うん、OK」
「じゃあ用意しますね」
「今日のお茶は何?」
「ジャスミンにしようかと」
「あっジャスミン好き」
「それはよかった」
でもこのお店って全然変わらないなぁ・・・
って言っても私が来るようになって一年ちょっと位だけど。
「何か変わったものでもありましたか?」
「ううん、その逆。全然変わってないなぁーって思って」
「お褒めの言葉ととっておきましょう」
「うん、そうして。あっいい香りー」
「どうぞ」
「ありがと」
「お菓子もありますよ」
「わぁーい・・・ってもしかして鵠サンの手作り?!」
「よくわかりましたね」
「だって手作り感でてるし・・・でも見た目完璧」
流石鵠サン!!
見た目すっごく美味しそうだよ!!
「いただきまーす。んっ美味しい!」
「そうですか・・・よかったです」
「やっぱり鵠サンすごいねぇー私ダメ、作れません」
「結構簡単ですよ?」
「誠人クン担当なの、お料理は」
「じゃあサンはなにをしてるんですか?」
「えっとー稔クン起こしたり?誠人クン起こしたり?」
「起こし役ですか」
「そう、それ!起こすの担当」
誠人クン起こしに行ってご飯作ってーってお願いしたり。
うわっ私ってさりげなく迷惑?
安眠妨害?
「鵠サンどうしようー私、安眠妨害かも?」
「大丈夫ですよ、あなたでしたら」
「そうかなぁー?」
「はい、私が保障します」
「ありがと、鵠サンの保障つきなら大丈夫だね」
「お茶が冷めましたね、淹れなおしてきます」
「あっごめんね」
「イイエ、気にしなくていいですよ」
「ありがと」
「ん、美味しかった。ご馳走様でしたー」
「そういって頂けて嬉しいですよ」
「また食べさせてね」
「はい、じゃあまたいらっしゃってくださいね」
「うん、常連ですから」
「お待ちしてますよ」
お嬢さん、お茶でもいかが?
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