* 恥ずかしがり屋のおませさん *











チャン、おいでおいで」


「ん?」



とりあえず手招きしてる誠人クンのところに行ってみよう。

お菓子でもくれるのかな?



「ちょっと遊びに行かない?」



あっ違った。

遊びのお誘いだったんだね。

うーんどうしようかなぁ・・・暇だし、うん、決定。



「行く」


「時任は?」


「あっ俺も行く!」


「じゃあ三人でお出かけとでも行きましょうか」


「はぁーい」



誠人クン先頭で歩き出す。

っていうか、どこに行くつもりなんだろう?

まぁいっか。

付いて行ったらわかるだろうし。




















「ここって・・・」



うわぁーどうしよう、馴染みの場所じゃん。

しかも、ここ知ってること言ってないし。



「面白いお店だよ」


「へぇ・・・」



はい、知ってマス。

ついでにここの人間も知ってマス。

とりあえず、うん、ここは知らないフリをしよう。



「あぁ、いらっしゃい」


「どーも」


「俺もいる」


「わかってますよ」



あっ目が合った。

でも表情変えないのは流石だね!!



「そちらのお嬢サンは?」


「あっこの子は居候中のチャン」


「こ、こんにちは・・・デス」



とりあえず、誠人クンの背に隠れながらにしよう。

目指せ!ちょっと人見知りの激しい恥ずかしがり屋さん!!



「こんにちは」



わかってるよね・・・?

私が言いたいこと。

黙っててください、お願いします。



チャン?どうしたの?恥ずかしい?」


「うん、恥ずかしい」


「はぁ?!なんでだよ?!」


「だってぇーこの人綺麗サンだし」


「確かに鵠さん綺麗サンだね」


「あはは、ありがとうございます」



・・・誠人クンも綺麗サンだよね、さりげなく。

って言うか・・・鵠サン多分知ってたよねー私が誠人クンのお家に居候中なこと。

情報も商品だし。



「それで今日は何をしに来たんですか?」


チャンの紹介」


「あーなるほど。申し遅れました、私は鵠と申します」



はい、知ってマス。



「・・・改めまして、デス」


「そうだ・・・お近づきの印にこれどうぞ」


「あ、ありがとうございマス」



うわぁ・・・クマちゃん、クマちゃん。

何かいっぱい物入ってそうなんですけど?

ズッシリ重いんですけど・・・!!



「じゃあ帰ろうか?」


「うん、帰ろーお腹空いちゃったし」


「また来て下さいね」


「はぁーい、遊びに来マス」



これのお返ししに来なくちゃ。

鵠サンさりげなく厳しいし・・・!!!




















恥ずかしがり屋のおませさん
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