* 大きな欠伸をひとつ *











「喉渇いたからジュース買ってくる」


「一緒に行こうか?」


「んーん、いい。ゲーム頑張って」



稔クンと誠人クン、対戦中だし。

近くのコンビニまでだから、一人でも全然大丈夫だし。



「あっチャン、煙草買って来て?」


「ん、買ってくる」



誠人クンが渡してくれた小銭を握り締めて行っちゃいますか、コンビニまで。

期間限定のお菓子とか買ってこよう。

稔クンはゲームに夢中すぎて欲しい物言ってこないし。

誠人クンは余裕だねぇ・・・



「「行ってらっしゃい」」



「行ってきまぁーす」



誠人クンはともかく稔クンはゲームに夢中のはずなのに・・・

ちょっと嬉しいね。

その一言が。






















「なぁ久保ちゃん」


「ん?」


って久保ちゃんの煙草の銘柄知ってんの?」


「さぁ・・・どーだろね?」





















チャリンチャリン



煙草の販売機に小銭を入れる。

ボタンを押せば出てくる煙草の箱。

その箱を取り出せば微かに感じる特有の匂。



「煙草なんて美味しくないのにね」



それでも好きな人は好きだし。

美味しい、って思うんだろうなぁ・・・



「ふわぁ・・・」



あっ眠い。

昨日夜中まで誠人クンと遊んでたからだなぁ・・・きっと。

家に戻ってお昼寝にしよう。

稔クンにお菓子まだ食べちゃダメだよって言ってから。





















「ただいまぁー」


「お帰り」


「あれ?稔クンは?」


「まだゲームに夢中」


「そっか、ハイ」


「ん。・・・チャン残念ハズレ」


「え?」


「コレ、俺がいつも吸ってるやつじゃないでショ?」


「違うっけ?」


「うん、違う」


「そっかぁ・・・ごめんね?」



そんな風に謝れちゃったら俺も弱い。

でも、アーク買ってくるのはちょっと以外。

コレ匂い特有だから違うってわかるはずなのに。



「まぁいいよ」



一本取り出せば懐かしい、微妙な匂。

隣に立つ子猫ちゃんは少々おねむサン。

さっきから欠伸を繰り返してる。



チャン、ベットで寝といで?」


「ん、そーする」


「運んであげようか?」


「いー、稔クンにお菓子はまだ食べちゃダメだよって言っておいてね」




















大きな欠伸をひとつ
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