* ピンク色の猫 *
「ただいま」
「お帰りーって久保ちゃんその女誰?!」
「さぁ?」
「さぁってなぁ・・・!!!」
「まぁーいいんじゃない?」
「よくないっしょ」
猫を拾った。
公園で雨に打たれながら小さく丸まって眠ってた猫。
何となく放って置けなくてつい連れて来た。
「時任、とりあえずタオル」
「おう!」
この猫ちゃんは何者なんだろうね?
パッと見身体的に異常はなし。
至って普通の女の子。
「・・・んっ」
「あ、起きた?」
「・・・ん?だぁれ?」
「ラブリー久保田」
「ビューティー時任」
「「「・・・・・・」」」
やっぱり起きたばかりの人には通じないかな?
ちょっとふざけた自己紹介。
「お前は?」
「じゃあ・・・プリティー?」
案外通じたらしい。
確かにプリティーって感じ。
妙な所で納得。
「チャンお腹空いてない?」
「空いたぁ・・・」
「カレーでいい?」
「ん。カレー好きだよ」
「久保ちゃん、カレー四日目」
「うーん・・・微妙だね」
「外食いに行こうぜ、外!」
「そうだね、外行くならとりあえず着替えなくちゃっしょ」
「・・・確かに・・・俺の服でいけるかな?」
「や、無理でしょ」
時任とチャンじゃ大きさが違いすぎる。
最も、それは俺にとっても言えることだけど。
どうしようかねぇ・・・?
「・・・久保ちゃん作れよ」
「残念、俺にそんな特技はないよ」
「服じゃなくってメシ!」
「あっそういうこと」
「私のせいで、外食できない?」
「ん。別に?」
「久保ちゃん、俺ピザ食いたい」
「俺に作れとか言ったりピザとか言ったり忙しいねぇー」
「ピザ決定、嫌い?」
「ううん、好きだよ」
「ってわけだから、久保ちゃん」
「はいはい」
ピザ屋の広告を時任に渡してやればどのピザがいいかと選び始める。
チャンも覗き込んで一緒に選んでる姿は微笑ましい。
娘を持った父親の心情っぽいね。
や、寧ろ孫娘を見てる祖父さんの心情?
まぁどっちでもいいか。
「、どれがいい?」
「コレがいい、シーフード」
「じゃあコレとコレにしよ、肉乗ってるやつ」
「ビューティー、コレも欲しい」
「ビューティー?」
「ん?ビューティーじゃなかった?」
「「・・・・・・」」
「ラブリーとビューティーでしょ?」
「久保ちゃん、どうしよ?」
「・・・どうしよっか?」
「ミルフィーユだめ?」
何か可愛い勘違いもしてる。
困った。
何か首を傾けてる姿がちょっと可愛い。
「ミルフィーユ、頼んでいいよ」
「ほんと?嬉しい。甘いもの、好き」
「俺は久保田誠人ね」
「久保田誠人?ラブリーは?」
「ラブリーじゃなくて、誠人ね?」
「ん、誠人クンね」
「あっ久保ちゃんずりぃ!俺は時任稔な」
「時任稔?ビューティーは?」
「ビューティーじゃなくって、稔な?」
「稔クン?」
「そ、稔くん・・・ってなんか違和感」
「まぁいいんじゃない?」
そのうち慣れるでしょ。
・・・何かいつの間にかチャンがここにいること前提に考えてる。
まぁ、いいか。
「久保ちゃん、注文」
「はいはい、どれ頼むの?」
「コレとコレ」
「ミルフィーユもー」
「もしもし、注文頼みたいんですけど・・・」
とりあえず、ピザとミルフィーユでも食べながらこれからのことでも考えようか。
例えば子猫ちゃんの好きな異性のタイプとか。
ピンク色の猫
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