* いつか、全てが泡沫の夢と消えても。 *











「修センセー」


「おー、どうした?」


「・・・隠し子?!」


「違う!」



なーんだ・・・

隠し子じゃなかったんだ・・・

ほら、先生、隠し子いても全然おかしくないだろうしー・・・



「じゃあ、この子は?」


「花本はぐみ」


「はぐちゃんかぁー・・・可愛いね」



何年生かなぁ?

中学生?でも高校生かもしれないなぁ・・・



「あー・・・ちなみにこの学校の一年だ」


「え?」


「やっぱり、さん驚いてる」



・・・・・・真山くんに竹本くん・・・いたのね。

全く気付かなかったわ!!



「そっかぁー・・・ん、とりあえずよろしく」


「・・・・・・」



あー恥ずかしがり屋さんかな?

なんか、ハムスターみたい・・・



「私は四年のね。修先生のゼミ生やってるの」


「あっさんも食べますか?コロッケ」


「コロッケ?あー・・・森田さん?」


「流石さん、よくわかりましたねー」


「や、何となく」



とりあえず、ひとつ頂こう。

竹本くん(正確には森田さん?)のご好意だし。



さん、余裕ですね」


「え?」


「卒制とか・・・就活とか大丈夫なんですか?」


「あー・・・ん、何とかなりそう」


「卒制は・・・まぁ俺のゼミだしなぁー就職は内定済みだし?」


「え?!内定済み!?」


「うん、来ていいよーって言われてる」


「ち、ちなみに何処に?!」


「藤原デザイン事務所」


「えぇー?!またなんでそんな大きなトコに?!」


「んー・・・コネ入社?」



美和子さんと仲良しさんだし。

社長さんたちとも仲良しだし。

山崎さんとか野宮さんとか仲良しさんだし。

あー正しくこれはコネ入社だね。



「・・・なるほど」


「とりあえず、邪魔にならないようにお茶汲みでもするつもり」


「そうですね、さん不器用だし」


「不器用じゃないわよー」


「でも、建築関係のことさっぱりじゃないですか?」


「あー・・・知識とかそういうのは授業で得たけど実戦はねぇ・・・」


「まぁ現場で揉まれるのが一番だな」


「はーい」


「あのマンションはどうするんだ?」


「藤原デザイン管轄のマンション使ってもいいって言ってくれてるんでそっちに移ろうと思ってます」


「俺たちの寛ぎの場がー・・・」


「ん?マンション残しておいてあげようか?」


「え?」


「誰か住む?家賃はあのアパートより高いけど」


「・・・遠慮しておきます」


「そう?竹本くんは・・・・・・」



あー・・・この子アレだね、恋しちゃってる。

はぐちゃんに。



「あ、は、はい、・・・なんですか?」


「うちのマンション住む?家賃は高くなるけど」


「・・・さーん・・・俺には無理ですよー・・・」


「そっか、残念」




















いつか、全てが泡沫の夢と消えても。
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